コンクリートと言えば、無機質で灰色のイメージが強いかもしれません。しかし、少しの工夫と技術で、コンクリートに着色することができるのをご存知でしょうか?カラフルなコンクリートは、建築やインテリアのデザインに新しい可能性をもたらし、より個性的で魅力的な空間を作り出すことができます。今回は、着色方法から製品紹介まで幅広くカバーしています。コンクリートの着色は単に色を付けるだけでなく、素材の特性を活かしつつ美しい仕上がりを実現するための技術とセンスが求められます。それでは、具体的な着色方法について一緒に学んでいきましょう!
コンクリートの着色方法
カラーコンクリートを簡単に説明すると、コンクリートを塗装して素地を塗りつぶすのではなく、素材自体に色を付けてコンクリートの質感をそのままに着色したものです。カラーコンクリートについては下記の記事で解説していますので是非ご覧ください。
まずは、コンクリートを着色するための基本的な方法を理解しましょう。基本的には3種類の着色方法があります。この3つはコンクリートに着色するタイミングの違いで分けています。
それでは3つの着色方法について見ていきましょう。
生コンクリート時の着色方法
コンクリートを製造する時点でコンクリートプラント(セメント、水、砂、砂利、混和材料などを所定の配合で計量し、これを練り混ぜてコンクリートを製造する設備)や生コンクリート運搬車にセメント着色剤、いわゆる無機顔料を混入する着色方法です。
セメント着色剤の代表的製品
カラーモルタルの代表的製品
建築分野においては前述の通り生コンクリートに着色するのは稀であり、その応用/代替としてカラーモルタル(生モルタルを着色したもの)を施工するケースが多いです。カラーモルタルは施工業者が現場でモルタルを練り、上記のセメント着色剤や日本古来の墨等の色粉や顔料を使用してカラーモルタルを作ることもありますが、施工のしやすさを考慮して下記のメーカー既製品を使用するケースも多いです。
コンクリート打設直後の生乾き状態での着色方法
コンクリート打設直後の生乾き状態にセメント着色剤を散布し着色する方法です。日本建築学会『建築工事標準仕様書 JASS 15 左官工事』の“カラーセメント散布仕上げ”として謳われている着色方法です。
コンクリートの散布着色型代表的製品
コンクリート硬化後の着色方法
コンクリートを打設し適切な硬化養生後に、カラークリア(半透明塗料)を施工して着色する方法です。新設のコンクリートのみならず、改修工事の時でも使用できます。半透明塗料なのでコンクリートの表情が露わになりながらも着色できます。コンクリートに対する塗料の吸い込みムラやコテの押さえ模様、ひび割れや欠損等もテクスチャーを構成する要素となって、全ての現場が唯一無二の仕上がりとなります。
コンクリートのカラークリア(半透明塗料)着色型の代表的製品
メーカー:大日技研工業株式会社
コンクリート打ち放しの建造物の外壁に対する疎水剤兼カラークリア塗装としては、最も有名で実積が多いと思われる製品です。無機系成分と有機系成分で構成されたハイブリッド系疎水剤です。
メーカー:ヤブ原産業株式会社
モルタル・コンクリート床の風合いをそのままにカラークリアで着色、浸透強化、防塵できる水性コンクリートステイン塗料です。トップコートは耐汚染性が高いので汚れが付きにくい上、付いたとしても落ちやすい仕様です。色は全20色。
まとめ
カラーコンクリートやカラーモルタルは一般的なコンクリート色を変更することで新たなデザインを取り入れることができます。また、コンクリートに色を付ける方法は様々あり、各メーカー多種多様な商品を販売しています。各商品様々な特徴があり、着色方法によっても特徴があります。このため、使用する場所や用途に合わせて選定することが重要です。今回は比較的有名なものを中心にご紹介しました。紹介できなかったものの中には高強度タイプ等様々なシチュエーションに特化した商品を出しているメーカーもありますので、是非カラーコンクリートを検討してみてください。
ヤブ原産業のルーセントカラー
今回紹介した商品の一つである「ルーセントカラー®」はヤブ原産業の商品です。ヤブ原産業ではモルタル・コンクリートに関する数多くのデータやノウハウを集積・分析してきました。「ルーセントカラー®」は独自の特許技術でコンクリートを保護・強化し、コンクリートの質感を最大限活かして塗装します。下記のHPリンクよりサンプルの御請求が可能です。実物を確認したい場合などは是非お問い合わせください。