バリアフリー工事、外構リフォームでも補助金は利用できます

[著]
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長年住み慣れた家でも、高齢者にとっては階段など段差のある場所を移動するときには危険がともなう場合があります。

重大な事故を回避するためにも暮らしのなかにある危険を適切に排除する必要があり、またそうすることで安全で快適な生活が可能になるといえるでしょう。

このように体力や身体機能に衰えが見られる高齢者でも快適に暮らせるようサポートすること目的としたリフォームを「バリアフリーリフォーム」といいます。

「バリアフリーリフォーム」は、一定の要件を満たせば補助金を利用できます。

そして外構工事で行う「バリアフリーリフォーム」に関しても、同様に一定の要件を満たすことで適用が可能です。

そこで今回は「バリアフリーリフォーム」で利用できる補助金の概要について、そして補助金が使える外構工事なども解説します。

バリアフリーリフォームで利用できる補助金の概要

バリアフリーリフォームで利用できる補助金とは、介護保険の「高齢者住宅改修費用助成制度」になります。

「高齢者住宅改修費用助成制度」は、一定の要件を満たした介護リフォームについて補助金が支給される制度です。

おもな受給要件

高齢者住宅改修費用助成制度を受給するための要件は以下の通りです。

・介護保険の被保険者で「要介護」あるいは「要支援」認定を受けていること
・「介護保険被保険者証」に記載されている住宅のリフォームであること
・リフォームを行う住宅に認定を受けた被保険者が居住していること
・対象の介護リフォームを行うこと

支給額

・最大18万円

 

高齢者住宅改修費用助成制度の支給額は、被保険者1人につきリフォーム費用の上限は20万円までで、そのうちの9割が支給されることが定められています。

要するに、20万円以上のリフォーム費用がかかった場合、適用が認められると18万円が支給され、それ以外は自己負担になるということです。

対象となるリフォーム工事

高齢者住宅改修費用助成制度の対象工事は、厚生労働省によって以下の6つが定められています。

  1. 手すりの取付け
  2. 段差の解消(*)
  3. 滑りの防止及び移動の円滑化等のための床又は通路面の材料の変更(*)
  4. 引き戸等への扉の取替え
  5. 洋式便器等への便器の取替え
  6. その他以上の住宅改修に付帯して必要となる住宅改修

(*)玄関から道路までの屋外での工事も支給が可能

高齢者住宅改修費用助成制度が使える外構工事について

高齢者住宅改修費用助成制度は、外構工事にも適用されます。

おもに適用対象となるのは以下の内容です。

・手すり工事
・スロープ工事

手すり工事

玄関前のアプローチや階段に手すりを設置する工事です。

手すりの設置は比較的簡単で、低コスト、短工期でできる工事になります。

体力や身体機能が衰えた高齢者には、移動や動作の補助のために手すりがあると非常に便利です。

また、いざというときの転倒防止にも役立ちます。

家庭内事故は非常に多く、高齢者の事故の8割近くは住宅で起こっているといわれているほどです。

なかでも非常に多い事故原因は「転倒、転落」で、高齢者家族がいる場合は事故防止を図るための対策は優先的に行う必要があるでしょう。

スロープ工事

玄関ドアから道路の間の段差を解消するためのスロープを設ける工事です。

とくに車いすでの移動が必要な家族がいる場合は、快適な生活を守るためにもスロープ工事は必須といってよいでしょう。

というのも、介護を受ける人が安全であることはもちろん、介護をする人の負担を軽減するうえでも重要な役割を果たすためです。

またスロープの設置を検討するときには、以下の通りいくつかのポイントに配慮する必要があります。

・スロープの幅を確保する
・スロープの傾斜を緩やかにする
・スロープの床を滑りにくくする

スロープの幅を確保する

スロープの幅は、車いすでも安全に移動できるよう十分な幅を確保することが重要です。

建築物のバリアフリー設計の基準となるものに、バリアフリー法の「建築物移動等円滑化基準」があります。

「建築物移動等円滑化基準」とは、高齢者や障がい者が円滑に移動できる基準として定められたものです。

そして「建築物移動等円滑化基準」によるスロープの幅は1.2m以上になります。

住宅の環境によっては難しいケースもあるかもしれませんが、この水準を目安にできるだけ近づけるよう計画する必要があるでしょう。

スロープの傾斜を緩やかにする

スロープの傾斜は、スムーズな移動ができるよう緩やかにつくることが重要です。

「建築物移動等円滑化基準」によるスロープの傾斜は、屋内で1/12以下、屋外で1/15になります。

ちなみに1/12の勾配とは前方(水平)に12cm進んだとき、高さが1cmとなる傾斜のことをいいます。

スロープの傾斜がきつくなる場合は、折り返しをつけるなどの対策も必要になるでしょう。

スロープの床を滑りにくくする

スロープの床面は、移動時に滑らないことが重要です。

勾配のある床面は、仕上げによっては雨などで塗れると滑ってしまう場合があります。

滑ってしまうと事故につながる可能性があるため、なんらかの方法で対策をしなくてはいけません。

おもな対策とは、仕上げ材に滑りにくい材料を使ったり、あるいはコンクリートを「刷毛引き仕上げ」にしたりすることなどです。

「刷毛引き仕上げ」とは左官仕上げのひとつで、表面に刷毛目をつけてざらざらに仕上げることで滑り止めの効果が期待できます。

まとめ

高齢者が安全で快適に暮らしていくには、バリアフリーリフォームで危険を取り除くことが重要になります。

要件を満たしているなら、補助金を利用して実施することを検討してみてはいかがでしょうか。

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