「コンクリートに色を付けたい」「コンクリートに塗装するとコンクリート感が無くなるのが嫌」等コンクリートを活かしたアレンジを加えたいと考えている方はいませんか?カラーコンクリートはこのようなご要望に沿えるかもしれません。
しかし、費用が把握できなければ、具体的な検討が進みません。そこで。今回はカラーコンクリートの費用について考えていきたいと思います。
カラーコンクリートの概要
はじめに、カラーコンクリートやカラーモルタルと呼ばれるものはコンクリート・モルタルに着色を施したものです。コンクリートに着色するだけで建物のデザイン性の幅が広がり、ユニークな演出ができます。
カラーコンクリートは厳密にはコンクリートに顔料を混ぜて着色したものを指しており、土木現場で利用されることがあります。一方で建築現場では施工規模などの理由で、カラーコンクリートと呼ばれていても、カラーモルタルやステイン系塗料でカラーコンクリート風に仕上げている場合が一般的です。
カラーコンクリートについて下記記事にて解説していますので、是非ご確認ください。
カラーコンクリート仕上げの施工方法による違い
建築現場ではカラーモルタルを施工する方法、コンクリートにステイン系塗料で着色する方法でカラーコンクリート風に仕上げることが一般的です。これらの工法の違いで費用や施工期間が変わります。
カラーモルタルを施工する工法
モルタルを水練りする際に顔料を混ぜて色を付ける工法です。ここでは近年人気のカラーモルタルとして「モールテックス」を例に紹介します。
モールテックスを簡単に説明すると、ベルギーのBEAL社が開発した左官材です。セメント系材料ですが柔軟性があることや高い表面強度等が特徴です。注意点は講習を受けた専門業者でなければ施工できない点と、必要な工程が多い点です。また、養生時間もしっかりとらなければいけないため、施工期間にも注意が必要です。
モールテックスの施工工程
モールテックの施工は最短でも2~3日かかります。
プライマー塗布後、モールテックス1層目と2層目の間でそれぞれ8時間以上養生時間が必要で、仕上げ塗後は48時間以上の養生時間が必要になります。また、水場や仕上りにこだわる場合は、その後に研磨や保護材の塗布といった工程が必要になります。
プライマー塗布
モールテックス1層~仕上塗
研磨・保護材塗布
モールテックスの費用
モールテックスの工事費用目安は
平面で15,000円/㎡~20,000円/㎡と言われています。
平面でない場合はさらに高くなります。
モールテックスは工程が多く人工も必要になるため、費用が高くなる原因として挙げられます。しかし、高価である分、高い機能性(強度・防水性・デザイン性)を期待できます。
ステイン系塗料で仕上げる工法
コンクリート・モルタル打設後に塗装を行い着色します。ステイン系塗料を使うことで下地コンクリートが透けて見え、コンクリートの質感を損ないません。
ここではヤブ原産業の「ルーセントカラー」を例に紹介します。
ルーセントカラーはコンクリート・モルタル床の風合いをそのままに、カラークリアで着色・浸透強化・防塵できる水性コンクリートステイン塗料です。モールテックスと比べると工程が少なく、施工期間も短いです。注意点は下地のコンクリートによって仕上りに影響が出ること、クラックなどの補修跡が隠れないことが挙げられます。
ルーセントカラーの施工工程
ルーセントカラーは最短1日で施工することができます。
プライマー、トップコート1回目の後に1時間程度の養生時間が必要です。また、トップコート2回目後12時間以上養生時間を空けていただくことで歩行が可能になります。
研磨・清掃
プライマー塗り
トップコート塗り(2回)
ルーセントカラーの費用
ルーセントカラーの工事費用目安は
2,200円/㎡~3,400円/㎡としています。
モールテックスに比べ費用が安いのは工程が少なく工期が短く済むことが理由として挙げられます。
安くはありますが、防塵性や防汚性、下地の保護機能等が期待できます。
ヤブ原産業のルーセントカラーについて下記HPで詳しく説明しております。また、サンプルのご依頼も承っていますので、是非ご確認ください。
まとめ
カラーコンクリートはコンクリートの見た目にさらなるデザイン性を付加してくれます。施工方法や製品によって異なり、カラーモルタルのモールテックスの場合は15,000円/㎡~20,000円/㎡でステイン塗料のルーセントカラーは2,200円/㎡~3,400円/㎡が目安になります。
製品や工法により、得意不得意や付加される性能も異なるため、費用を含め総合的に材料選定を行うことが大切です。是非カラーコンクリートを建物のデザインに取り入れてみてください。