塗床(ぬりゆか)とは? 合成樹脂系塗床の種類や特長を徹底解説

[著]
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建築業界における床材は多々あります。戸建て、集合住宅、店舗、公共施設や内部、外部等の要素の違いにより、床材の種類を適切に選択しなけれなりません。
塗床(ぬりゆか)は、厨房・工場・マンション共用廊下等の床に幅広く使用されている床材です。そんな塗床にはどのような種類や特長があるのでしょうか。

そもそも塗床とは

そもそも塗床というのは、下地コンクリートを保護し、美装する床のことを指します。
種類は主成分の種類により、無機系と有機系(以下合成樹脂系塗床)大別されます。それぞれが特性の違いにより用途も変わってきます。
無機系塗床の用途は主に駐車場、物流倉庫、自動製造工場等、車両の往来が激しい場所や、強い衝撃が加わりやすい場所、不燃性を求められる場所です。
合成樹脂系塗床の用途は厨房、クリーンルーム、精密機械工場等、塗膜の継ぎ目を作りたくない場所、耐薬品性が高い場所、なるべく掃除がしやすい場所です。
今回は合成樹脂系塗床について種類や特長等を解説します。

合成樹脂系塗床の塗り厚について

合成樹脂系塗床は手っ取り早く説明すると、下地コンクリートにペンキを塗って仕上げたものです。
塗り厚により2種類あります。

・薄膜型塗り床
・厚膜型塗り床

薄膜型塗り床はローラーで施工するタイプで、塗り厚は0.2~0.5㎜前後です。
厚膜型塗り床はコテで施工するタイプで、塗り厚は1㎜以上です。
耐久性は一般的に、厚膜型塗り床の方が高いです。

合成樹脂系塗床の種類について

代表的なもの5種類をご紹介します。

アクリル樹脂系塗床

塗料業界では古くから使われている種類、最も一般的な塗床です。
主な用途は防塵(ぼうじん=埃やコンクリートの表面の粉が舞うことを予防)です。
特長は安価で簡易的。摩耗性と耐薬品性は相対的に見て低いです。
施工に適する場所は、人が往来するだけの事務所、倉庫、工場等です。

硬質ウレタン樹脂系塗床

耐磨耗性に優れている硬質ウレタン系塗床は、主に研究室や事務所などの床に使用されています。
特長は磨耗しにくく、耐久性、耐衝撃性が高い。
また、湿度が高い状況での施工は発砲しやすいという短所があります。
施工に適する場所は、クリーンルーム 研究室、病院機械工場、事務所等です。

エポキシ樹脂系塗床

長年の床用塗料の中でも、出荷量が最も多く信頼性が高いものです。
特長は塗膜が硬く、下地コンクリートに対する密着性が強固である。
相対的に見て、耐摩耗性・耐荷重性・耐薬品性が優れている。
太陽光や蛍光灯などで黄変(黄色く変色)しやすいです。
施工に適する場所は、作業場やフォークリフトが通行する場所。
薬品を頻繁に使用するような研究室や実験室です。

MMA樹脂系塗床

他の樹脂と比べて硬化にかかる時間が短く、工事の施工期間を短縮できます。
特長は、マイナス20度の低温下でも硬化する性質を持っているため、冷蔵倉庫等の床にも施工することができます。
耐薬品性に優れているほか、抗菌性を兼ね備えた塗床材です。
施工に適する場所は、低温倉庫、駐車場等です。

水性硬質ウレタン樹脂系塗床

近年、床用塗料の中で採用されることが最も多い塗床材です。
主に厨房や食品工場等の床に施工されているのが、この塗床です。
特長は、従来の有機塗床に比べ、人と地球環境に配慮した優しい塗床です。
また100℃を超える熱に耐えられるほどの耐熱性に優れているほか、酸やアルカリ、油脂類、アルコールなどに対しての耐久性も兼ね備えています。
施工が比較的難しく、下地作りがとても重要です。
施工に適する場所は過酷な環境の厨房や工場です。

施工後のメンテナンス

耐薬品性、耐摩耗性等様々な優れた性質を持つ合成樹脂系塗床ですが、経年変化により汚れが付いたり、塗膜が劣化したり、塗膜が下地コンクリートから剥がれたりすることがあります。
剥がれてしまうと床本来の機能を発揮しなくなり、様々な被害に繋がるため、定期的な塗料の塗り替えを行うことが大切です。
汚れが付いた際の汚れ落としには、弊社の『塗り床汚れイッキ落ち』がおすすめです。

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まとめ

床材は、壁材や屋根材に比べて遥かに耐久性を考慮しなくてはなりません。
施工場所の違いにより、下地コンクリートに対する脅威(衝撃、摩耗、薬品、熱、油、酸等)は様々です。
その脅威を見極め、用途に最も適する塗床を選択し、かつ適正な施工をすることで初めて床材としての機能を発揮できるのです。

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