プロ推奨!カラーモルタル仕上材おすすめ5選を徹底比較

[著]
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日本では1980年代後半~1990年代初頭にかけてバブル景気になり、その頃にコンクリート打ち放しの建築物が流行しました。それから時は30年経て、昨今の建築業界では店舗等の内装を中心に、コンクリートやモルタルのテクスチャー(材料の質感や感触、表面の様子)を活かした建築材料が人気を博しています。輸入製品の『モールテックス』を始めとしたコテ等で塗り付けるモルタル系の製品や、コンクリート・モルタルの上にローラーで塗るコンクリートステイン塗料や防塵塗料があります。今回はこれらのカラーモルタル風仕上材のメリット・デメリットや実際の製品のご紹介します。
前提の知識としまして、モルタルの構成材料は砂・セメント・水です。比較的薄塗りの材料のため、仕上げ材や下地調整材として使用されます。通常モルタルは構成材料の色合いを受けてグレーや白色で仕上がりますが、着色されたモルタルはそれらとは一線を画した雰囲気・空間を演出できます。

モルタル系仕上材

モールテックス: BEAL社

         

コンクリート・モルタル調仕上げ材のブームの先駆けになった商品です。ベルギーのBEAL社が開発した、薄塗りで仕上げられるモルタル系の左官製品です。床や壁、什器や家具など様々な箇所で高いデザイン性を実現できるため、店舗のインテリアデザインで使用されている現場をよく目にします。コンクリート・モルタルの質感で塗り厚は数ミリでありながら、表面強度はコンクリートの数倍と言われています。

メリット

強度に優れる:塗り厚が数ミリでありながらもコンクリート同等の強度を有します。

接着性に優れる:広範囲の下地(木、金属、タイル、石、プラスチック等)に高い接着性を示します。

耐久性に優れる:製品自体が高い靭性を有するので、曲げやたわみ、欠けや削れに強いです。

高い防水性:普通のモルタルは吸水しますが、モールテックスはほぼ水を吸いません。

高いデザイン性:64色の標準色を用意し、調色可能なのでこだわりの店舗内装デザインを実現できます。

デメリット

・プロの業者であっても講習を受けた登録業者でないと施工できない上に、工程が多いのでコストが高くなる。

・モルタル系仕上材は技術を要する材料のため、左官職人の腕によってその仕上がりは大きく異なる。

・専用のニスやオイルでの定期的なメンテナンスが原則必要。

材工設計価格(工事の目安の定価)

平面の場合 15,000~20,000円/㎡。(当社調べ)

モールテックス:ビール社

『モラート』:㈱フッコー

    

“仕上げの可能性を超える”アーティスティックモルタル“

マットな仕上げの中に微妙な光沢感を持つ柔らかい陰影により、奥行きのある表情を演出します。 コテによる自在なテクスチャーパターンは、様々なライフスペースに味わいの異なる多彩な質感を生み出します。

メリット

・特殊セメントを使用し、耐熱・耐酸・耐摩耗・表面硬度に優れる。

・弾性があり、高い接着性を持つ強固な塗膜を形成する。

・健康に害のない、安心して使用できる製品。F☆☆☆☆と、国土交通省の防火認定を取得しているので内装制限をクリアしている。

・標準色はカラーパウダー(既調合) を現場で混入するだけで施工できる。特注色の場合は工場で主材と混ぜて既調合として出荷するので、現場での煩雑さや色ブレの心配がない。

デメリット

・プロの業者であっても講習を受けた登録業者でないと施工できない上に、工程が多いのでコストが高くなる。

・モルタル系仕上材は技術を要する材料のため、左官職人の腕によってその仕上がりは大きく異なる。

材工設計価格(工事の目安の定価)

平面の場合 15,000~20,000円程度/㎡。(当社調べ)

モラート:㈱フッコー

『デコリエ』:日本化成㈱

デコリエは無機結合材と有機系エマルションにより構成されたこれまでにない高意匠性仕上げ材です。 左官のこて塗り技術を生かし、種々の下地へ施工ができ、仕上げの可能性を大きく広げることができます。

メリット

・コンクリート調仕上げに適した製品。

・1mmという薄い仕上げ層にもかかわらず、重厚感のある仕上げが可能。

・柔軟性を有する反面、耐摩耗性に優れ硬度の高い仕上がりが期待できる。

・顔料を添加することにより、オリジナルな色調にできる。

デメリット

・プロの業者であっても講習を受けた登録業者でないと施工できない上に、工程が多いのでコストが高くなる。

・モルタル系仕上材は技術を要する材料のため、左官職人の腕によってその仕上がりは大きく異なる。

材工設計価格(工事の目安の定価)

平面の場合 20㎡以上 35,000~50,000円以上/㎡。(当社調べ)

デコリエ:日本化成㈱

『テクノカラーFW』:テクノスジャパン㈱

全66色と多彩なカラーラインナップを揃えたプレミックスタイプの高性能カラーモルタルです。店舗・外構・住宅・学校などの各種施設など、土木・建築を問わずコンクリート全般に使用できます。

メリット

・塗料では表現出来ないモルタル独特の風合いを活かした美装が、床・壁・天井それぞれに行えます。

・カラーの豊富さのみならず、コテ平滑・刷毛引きなど様々な表面仕上げが可能です。

・既存コンクリートの上から塗り付けるので、新設はもちろん改修用途にも最適です。

・厚み全体がカラー化しますので、摩耗による下地露出が起こりにくく、美観を長期間維持できます。

デメリット

・黒系等濃いカラーの場合、白華(白い炭酸カルシウムの結晶化物)が目立ちやすい傾向にある。

『テクノカラーFW』:テクノスジャパン㈱

塗料系仕上材

コンクリートステイン塗料『ルーセントカラー』:ヤブ原産業㈱

コンクリート・モルタル床の風合いをそのままに、カラークリアで着色・浸透強化・防塵できる水性コンクリートステイン塗料です。クラックや下地のムラもそのまま仕上がりに現れるため、通常の塗料では表現できないコンクリートならではのテクスチャーをデザインできます。

メリット

施工性:施工が簡単なので登録業者でなくても誰でも施工可能。施工者による仕上がりの差が少ない。

短工期:下地を研磨して塗装するだけなので、60㎡程度なら1日で施工可能です。

経済性:上記モルタル系製品と比べて製品自体も安く、施工も早いので工事単価が割安。

デメリット

・モルタル系仕上材と比べて強度や耐久性で劣る。

材工設計価格(工事の目安の定価)

メーカー公式)300㎡以上1,900~2,200円/㎡。

ルーセントカラー:ヤブ原産業㈱

まとめ

一般的にモルタル系製品は性能が高い一方で高価でもあります。それに対しコンクリートステイン塗料は安価な反面、強度ではモルタル系製品に劣るので、用途や予算に合わせて選択しましょう。モダンな空間デザインを追求するうえでモルタルやコンクリートのテクスチャは欠かせない存在です。モールテックスやルーセントカラーを是非一度検討してみてはいかがでしょうか。

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