工場や倉庫の床は、重機の往来や作業によって欠けなどが生じやすい場所です。これによって作業の安全性が低下し、業務効率にも悪影響を及ぼす可能性があります。そのため、適切な補修材による迅速な補修をすることが重要です。しかし、補修材は種類が多岐にわたるため、どれを選べばいいのか迷っている方も多いのではないでしょうか。
この記事では、工場や倉庫向けのコンクリートの欠けに適したおすすめの補修材を紹介します。適切な補修材を選んで、作業員の方々の安全性と作業効率を高めましょう。
コンクリート補修材とは?
コンクリート補修材は、欠けやひび割れなどの損傷したコンクリート構造物を修復するために使用されるものの総称です。コンクリートの段差や勾配の修正や、コンクリートを長持ちさせる役割があり、速乾性のものや高強度のものなど、状況や用途に応じて、様々な種類があります。工場や倉庫の床の欠けの補修には、業務を中断する時間を減らすための速乾性や、重量物が通る過酷な環境でも耐えられる高い強度を兼ね備えた補修材を選ぶことが重要です。
以下に、一般的なコンクリート補修材の種類をご紹介します。
コンクリート補修材の種類
コンクリート補修材には、用途や性質によって多くの種類があります。
代表的なものをご紹介しますね。
セメント系補修材
左官工法や充填工法、吹付工法など実際の現場でも様々な用途で利用されています。また、樹脂とセメントを混ぜたポリマーセメントモルタルと呼ばれるハイブリットな商品もあります。今回おすすめするようなコンクリートの隙間や欠け、埋め戻しの補修材にも使われています。
樹脂系補修材
ひび割れの注入材やパテ材等用途に合わせて種類が様々あります。商品の価格や性能は、樹脂の種類や配合により大きく異なる場合があります。また、ものによっては、道具の洗浄に有機溶剤(シンナー)が必要になるものもありますので注意が必要です。
補修材選びのポイント
工場・倉庫向けのコンクリート補修材を選ぶ際は、以下のポイントを考慮しましょう。
補修方法
まず、補修が必要な箇所や範囲を明確にしましょう。欠損補修かひび割れ補修、場所は壁か床、補修跡は残っていていいのかなどイメージがより具体的であれば材料を選びやすくなります。
耐久性と強度
コンクリートの補修ですので、コンクリートに近い強度があることが望ましいです。一般的にコンクリートの強度と言われると圧縮強度を指していることが多く、その強度は18~45N/㎟と言われます。工場や倉庫ではさらに高強度なコンクリートの場合も多いです。補修材の強度不足にならないよう、最低18N/㎟以上且つ、より強度が高い補修材を選びましょう。
乾燥時間と硬化時間
セメント系補修材はセメントの性質上、乾燥後も長い時間をかけて強度が高まっていきます。一般的なモルタルであれば、通常開放するまでの養生期間を1週間は設けたいところです。十分な養生時間を設けられない場合は、初期強度の発現が早い速硬型の補修材を検討してみましょう。
施工の手軽さ
特別な道具や技術を必要とせず、簡単に使える補修材は作業効率を向上させます。
コストパフォーマンス
セメント系補修材の中でも価格が数百円のものから数千円になるものまで、大きく価格差があります。当然、容量や機能による違いが価格に反映されている場合がほとんどですが、中にはプロ向けのためか詳しい情報がわからないものも存在します。特に工場や倉庫では、ただ安さを基準に選ぶと材料の不適合や失敗に繋がります。価格が高くても詳細情報が載っているものを使用することで、結果的に費用や時間を抑えることに繋がります。
環境の適応性
補修を行う場所の環境条件に適した補修材を選びましょう。屋外の場合は、防水性や耐候性が高い補修材にします。
工場・倉庫向けのおすすめコンクリート補修材3選
工場と倉庫向けのおすすめのコンクリート補修材を3つご紹介します。
マルチパテ
マルチパテは、コンクリートやモルタルの欠け補修だけでなく、レンガや壁のひび割れ補修にも幅広く使用できる補修材です。容器から取り出してそのまま使える補修材で、硬化後にペイント塗装や釘やネジを打ち込むことができることも特徴です。硬化時間は約24時間のため、急いで補修する必要がない場合での使用に適しています。
参照:商品ページ※外部ページ
速硬化型コンクリート補修材
速硬化型コンクリート補修材は、コンクリート床の欠けやひび割れの補修や、モルタル・タイル・陶器・木材等に使用する補修材になります。充填後5分で硬化と非常に速乾性が高く、作業は市販のコーキングガンを使用します。作業時間を短く終わらせる必要があるため、扱いには慣れが必要です。
参照:商品ページ※外部ページ
マッハコン
マッハコンは工場や倉庫、冷凍倉庫のコンクリートやモルタル床の欠け補修やトラックターミナル・機械設備のアンカー固定、機械撤去後の補修、ゴルフ場のカート道路の欠損補修、屋上のコンクリート床や架台の穴の補修、ガレージ・住宅のアプローチ・犬走り等の路面補修に使用する補修材です。水を加えて袋のまま混錬できるプレミックスタイプの補修材で、充填後10分で歩行が可能となり、20分経つと車両が通行可能になる驚異的な速硬化性(23℃)を持ちます。さらに施工後3時間でコンクリート以上の強度が発現し、28日後には強度は通常のコンクリートの4倍にもなります。特別な道具を必要とせず、保護手袋だけで作業ができることも特徴です。初めて取り扱う場合でも簡単に作業することができ、他の補修材と比べてもコストパフォーマンスが良い製品になるため、特におすすめの補修材になります。
コンクリート補修材の使用方法
コンクリート補修材について補修前の準備や手順などを解説します。
補修前の準備
補修を実施する前に補修箇所の汚れとりを行い、補修材の付着を良くしておきましょう。水分については、製品によっては湿っている方が良いものもあるため、説明をきちんと確認することが大切です。必要があればマスキングテープなどで養生を行い、道具も事前に揃えます。
補修手順
使用する補修材によって多少異なりますが、補修手順の基本的な流れは以下の通りです。
作業中は、製品の説明書に記載された手順と注意事項を必ず守りましょう。
補修後の仕上げとメンテナンス
補修後は場合によって仕上げを行い、補修箇所を目立たなくします。
必要があれば硬化後に表面を研磨し、周囲のコンクリート面と同じ高さにしましょう。補修が完了後も定期的な清掃と点検などのメンテナンスを実施し、補修箇所の異常や、新たな損傷が発生していないかを確認します。早期発見や対応により、長期的な維持管理コストの削減が可能です。
補修材の購入方法と注意点
補修材の購入方法と注意点について解説します。
購入先の選び方
オンラインショップの利用がおすすめです。検索すれば複数の商品が出てきます。製品の特性や使用方法をよく確認してから購入しましょう。
価格比較とコストパフォーマンス
補修材の価格は、品質や性能によって大きく異なります。最適な補修材を選択するためには、価格を比較するだけでなく、耐久性・作業効率・使用頻度なども含めて総合的に判断しましょう。高品質でコストパフォーマンスの良い製品を選ぶことが重要です。
購入時の注意点
補修材の購入時には、補修材の使用期限や保管方法を確認しましょう。必要な量を正確に把握し、過不足なく購入することも重要です。不必要に多く購入しても保管に困る場合があるため、必要な量を適切に計算しましょう。
工場や倉庫の床のコンクリート補修材は、状況に応じて適切に選びましょう。
特にマッハコンは速硬化性があり、作業の中断時間を短縮することが可能です。また、特別な準備なしで手軽に補修できるため、コンクリートの欠け対策におすすめの補修材になります。長期的に使用する場合でも、コストパフォーマンスにも優れている製品です。
具体的な製品情報についてはモノタロウ、Amazonでご確認ください。