コンクリートはその耐久性と頑強さで知られ、現代建築において欠かせない素材です。また、近年では、コンクリートの美観が再評価され、コンクリートの質感を建物全体のデザインに取り入れた建築物も多く見受けられます。一方、コンクリートは時間とともに劣化が進んでいくため、建物の長寿化には塗装による保護が不可欠です。塗床材など保護に特化した塗料だけでなく、近年はコンクリートステイン塗料など、コンクリートの保護とデザイン性を両立した商品も登場し、店舗などの内装デザインで人気を集めています。この記事では、コンクリート塗装の中でもコンクリートの質感を活かして着色するコンクリートステイン塗料について解説します。
コンクリートステイン塗料とは
ステインとは日本語で染色であり、コンクリートステイン塗料はコンクリートを染色する塗料という意味です。コンクリートステイン塗料は、下地の質感がそのまま表れることが特徴です。通常の塗料は塗装すると下地のコンクリート上に塗膜を形成し下地が透けることはありません。一方で、コンクリートステイン塗料はカラークリアの仕上がりのため下地のコンクリートが透けて見えます。コンクリートの質感が見えることで、通常の塗料とは異なる風合いが生まれ、独特なデザイン性があります。
コンクリートステインのメリットデメリット
コンクリートステイン塗料は、カラーラインナップが豊富で、コンクリートの自然な質感を保ちながら色を追加できるため、コンクリート由来の複雑な濃淡が表現できます。そのため、店舗などの空間とも馴染む高いデザイン性があります。また、価格も安価なものが多いです。一方で、エポキシなどの塗床材と比べると耐久性が低いため、工場や倉庫などの高耐久性が求められる場所には向きません。
事例と参考デザイン
コンクリートステインは店舗やショッピングモールなどの商業施設、アミューズメント施設などで多く採用されています。代表的な商品の施工事例をご紹介いたします。
所在地 :東京都渋谷区
撮影 :2024年5月
設計 :株式会社タフデザインプロダクト〈TOUGH design product inc〉
(出典:TOUGH design product |Carroll Gardens bococa/Tokyo)
まとめ
コンクリートステイン塗料はコンクリートの自然な質感を保ちながら、色彩を加えることができる優れた塗料です。コンクリートの質感をデザインに取り入れたい方におすすめです。代表的なものとしてルーセントカラー(ヤブ原産業)やリノステイン(エービーシー商会)が挙げられます。これらの製品は、特に店舗やショッピングモールの内装に適しており、その性能と仕上がりの美しさから、多くの設計士に選ばれています。次のプロジェクトにぜひ取り入れてみてください。
ヤブ原産業の水性コンクリートステイン塗料
ヤブ原産業ではモルタル・コンクリートに関する数多くのデータやノウハウを集積・分析してきました。「ルーセントカラー®」は長年の経験をもとに開発された水性コンクリートステイン塗料です。独自の特許技術でコンクリートを保護・強化し、コンクリートの質感を最大限活かして塗装します。