アク止めシーラーについて種類や特長を解説

[著]
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内装においてベニヤ板などの木下地に、漆喰や珪藻土、あるいはクロスなど仕上げ材を施工すると、表面に『アク』が出てしまう場合があります。
アクが出ると見栄えが悪く、場合によってはやり替えをするなど面倒な対応が必要となります。
このアクを防ぐには対策が必要ですが、有効な方法となるのが『アク止めシーラー』を使って下地処理をすることです。
以前の記事でもアクについてご説明しましたが、それの抜粋と新たな記事を追加させてご案内します。

そもそもアクとは?

木材に元々含まれる水溶性成分(タンニン・リグニン等)の総称表現です。
ベニヤ板など木下地に対し、漆喰や珪藻土を直に塗って仕上げると、時間の経過と共に表面に現れる黄変などの現象も併せてアクといいます。
アクは、仕上げ面に対し部分的に生じたり、あるいは全面を変色させたりするなど、品質を著しく低下させる原因にもなります。
また、コンクリートやモルタルなどもアクが出る素材となります。
コンクリートやモルタルなどのアクは、水酸化カルシウムなどの成分が、内部に染み込んだ水分に溶けて流れ出ることによって発生します。

アクの予防方法

木材下地へ漆喰や珪藻土を塗るときに生じるアクは、対策を講じることで防げます。
おもな対策とは、大きく以下の2つの方法が考えられます。

①アクの出ない下地を使う
②下地と仕上げ層の縁を切る

今号は②についてご説明します。

アクの予防方法 下地と仕上げ層の縁を切る

下地でアクが発生したとしても、仕上げ層との縁が完全に切り離されていれば、表面にまで影響は及びません。
具体的にどのようにして縁を切るのかというと、下地と仕上げ層の間に塗膜の層を設ける方法になります。
そこで効果を発揮するのが『アク止めシーラー』です。
下地面にアク止めシーラーを塗っておくと、その上に施工する漆喰や珪藻土などの仕上げ層と縁が切れるため、下地からのアクをシャットアウトできます。

各メーカーのアク止めシーラーのご紹介

『ハイポリックシーラー』 株式会社ハネダ化学様

ハイポリックシーラーは、原液で使用する水性カチオン系のアク止めシーラーです。
構造用合板・繊維壁・京壁等古い内装壁のアク・シミ止め・表面強化に優れたシーラーです。
施工は2回塗り以上を標準とします。

『アクドメール』 フジワラ化学株式会社様


アクドメールは水性の古壁用強力アク止め剤です。
コンクリート、モルタル、古壁、ベニヤ板などのアク止め、シミ止めに効果的です。
原液を水で2倍に薄めたものを2度塗りする工法です。

『久米蔵アク止めシーラー』 ヤブ原産業株式会社


弊社が提供するアク止め剤『久米蔵アク止めシーラー』です。
久米蔵アク止めシーラーは、コンパネ、ベニヤ、合板など木下地の上に仕上げ材を施工するときのアクやシミ、ヤニの発生を強力に防止します。
また、「ホルムアルデヒド放散等級」で最も優れる「等級4」を取得している水性アク止めシーラーです。
特長は粘度の高さと樹脂の濃度です。
粘度は通常のシーラーよりかなり高く、壁等の垂直面に塗布した場合にダレにくいです。
よって塗膜の厚みが付きやすく、アク止め成分が残存しやすいです。
樹脂の濃度も通常シーラーより濃いめです。

久米蔵アク止めシーラーの粘度(他社品との比較)


透明トレイを約45度の角度で設置して、上部から各シーラーを流して約1分後の画像です。
明らかに、右の久米蔵アク止めシーラーの流れ落ちる速度が遅いのが分かります。
粘度が高いので塗膜に厚みを持たすことができます。
他社品のアク止めシーラーを使用してアクが出てしまったので、久米蔵アク止めシーラーを使いアクが止まったという声はたまに聞かれますが、その所以はここにあります。

ラワンベニヤ下地に対するアク止め効果の比較実験


左が他社のアク止め剤を処理した後、漆喰を施工した面。右が久米蔵アク止めシーラー塗布後に漆喰を施工した面。明らかに左側はアクが出て少し茶色くなっています。

久米蔵アク止めシーラーの施工


都内某現場で使用して頂きました。黄色いラベルが目立ちます。

       

木部下地、石膏ボード下地、既存クロス面が混在し、仕上げは漆喰調仕上げ材を施工する現場でした。それらの面に久米蔵アク止めシーラーを塗布して頂きました。

まとめ

木下地など、アクが出る素材に対する仕上げ工事は、完成後に黄変などの症状が表面に現れてくることがあるため注意が必要です。
必ずアク止め処理をするなど、必要な対策を講じて行うようにしましょう。
その際には、弊社の「久米蔵アク止めシーラー」を候補としてぜひご検討ください。

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