地震でひび割れが発生した場合の補修方法【地震保険は適用になるか】

[著]
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地震で、外壁や基礎にひび割れが発生した・・。

お客様からこんな修理についての相談を受けるケースも多いと思います。

今回は地震被害があった場合の修理方法。

また地震保険は適用になるのか?について解説します。

地震でひび割れが発生した場合保険で補修できるのか?

地震によってひび割れが発生した場合、地震保険に加入していれば保険が適用される可能性があります。

全損…地震保険の契約金額の100%(時価額が限度)
・軸組、基礎、屋根、外壁等の損害額が建物の時価額の50%以上
・焼失、流出した部分の床面積が建物の延床面積の70%以上

大半損…地震保険の契約金額の60%(時価額が限度)
・軸組、基礎、屋根、外壁等の損害額が建物の時価額の40%以上50%未満
・焼失、流出した部分の床面積が建物の延床面積の50%以上70%未満

小半損…地震保険の契約金額の30%(時価額が限度)
・軸組、基礎、屋根、外壁等の損害額が建物の時価額の20%以上40%未満
・焼失、流出した部分の床面積が建物の延床面積の20%以上50%未満

一部損…地震保険の契約金額の5%(時価額が限度)
・軸組、基礎、屋根、外壁等の損害額が建物の時価額の3%以上20%未満
・全損、大半損、小半損に至らない建物が床上浸水、または地盤面から45cmを超える浸水

地震保険は損害額が保険金として支払われるのではなく、被害の程度によって保険金が支払われます。

なお、地震保険の損害割合は被害の大きさではなくひび割れの数で算定されます。

大きいひび割れが生じているので保険金が多く下りるだろうと期待してしまうと、予想よりだいぶ少ない補償額にがっかりしてしまうかもしれません。

これは、損害算定がクラック1か所の損傷で1mとカウントされるためです。

そのため、ヘアークラックのような小さなひび割れでも複数生じていれば保険がおりる可能性は十分にあります。

地震被害の修理方法

では具体的に地震被害の修理、補修方法について解説していきます。

地震による基礎のひび割れ(小) 修理の流れ

①ひび割れ状況(ひび割れ幅0.2~2.0㎜程度)

通気口に沿ってひび割れが発生しています。

アミが埋め込みのためコンクリート片を撤去できません。

エポキシ樹脂注入で修理します。

ひび割れ

②付着物除去

ひび割れ周囲に付着、ひび割れ内に入り込んだゴミやホコリをブラシを使って除去します。

ひび割れ

③ブラッシング清掃

さらに表面のホコリをブラシで清掃します。

ひび割れ

④ひび割れ目止めシール

注入孔以外のひび割れに、漏れ防止のためエポキシ樹脂パテでシールします。

ひび割れ

⑤グラウトプラグ(注入器具)取り付け

注入孔に注入器具を取り付けします。

ひび割れ

⑥エポキシ樹脂注入(SSSボンド#500

注入器具が下地に固定されたら容器へ低粘度のエポキシ樹脂(SSSボンド#500)を充填させます。

ひび割れ

 

⑦グラウトプラグ(注入器具)取り外し

エポキシ樹脂が硬化したら(翌日以降)注入器具を取り外します。

ひび割れ

⑧表面仕上げ(カチオンフィラー

表面をカチオンフィラーで薄塗りし仕上げます。

基礎の剥がれ

 

ひび割れ

⑨修理完了

カチオンフィラーが乾燥すれば完了です。

ひび割れ

地震による基礎のひび割れ(大) 修理の流れ

①ひび割れ状況(ひび割れ幅2.0~5.0㎜程度)

ひび割れ幅が大きい場合の修理方法を紹介します。

ひび割れ

②付着物除去

ひび割れ

③ブラッシング清掃

ひび割れ

④ひび割れ目止めシール

ひび割れ幅が大きいため注入器具ではなく注入ガンで手動で注入します。

そのため注入穴を設けずにひび割れをパテシールします。

ひび割れ

⑤注入用穴あけ

ドリルで手動注入用の穴あけを行います。

ひび割れ

⑥穴内部清掃

注入穴内のホコリなどを清掃します。

ひび割れ

⑦エポキシ樹脂(SSSボンド#1000)注入

ひび割れ幅が大きいためダレないように高粘度のエポキシ樹脂(SSSボンド#1000)を注入します。

ひび割れ

⑧ステンレス補強ピン挿入

さらにコンクリート同士をつなぎ合わせ補強するためステンレス補強ピンを挿入します。

ひび割れ

⑨穴埋め

ひび割れ

⑩表面仕上げ(カチオンフィラー

ひび割れ

⑪修理完了

ひび割れ

地震による基礎欠損 修理の流れ

①基礎の欠損状況

基礎コンクリートの欠落部分を樹脂モルタルで補修します。

基礎欠損

②付着物の除去

欠損表面に付着したゴミやホコリをブラシを使って除去します。

基礎欠損

③ブラッシング清掃

基礎欠損

④下地強化剤(プライマー)塗り

下地コンクリートと樹脂モルタルとの密着を良くするためプライマーを塗布します。

基礎欠損

⑤埋め戻し整形(樹脂モルタル)

樹脂モルタルを塗りつけながら整形します。

樹脂モルタルについては下記を参照ください。

樹脂モルタルとはなに?普通モルタルやコンクリートとの違いとは?

基礎欠損

基礎欠損

⑥表面仕上げ(カチオンフィラー

基礎欠損

⑦修理完了

基礎の剥がれ 修理の流れ

①基礎の剥がれ状況

地震で起きた劣化ではありませんが、基礎によく見られる表面剥がれの修理方法について紹介します。

基礎の剥がれ

②剥がれ劣化部分の除去

劣化した剥がれを残したまま塗ってしまうと後々剥がれが発生します。

皮スキやスクレーパーを使って入念に落とします。

基礎の剥がれ

③ブラッシング清掃

表面に残ったホコリやゴミをブラシでさらに除去します。

基礎の剥がれ

④下地強化剤(ガッチリ浸透プライマー)塗り

コンクリート表面がもろかったりホコリっぽかったりすると接着が悪くなりまたすぐに剥がれが生じます。

ガッチリ浸透プライマーを塗って下地を強化します。

目安はコンクリート下地が濡れ色になるまで塗りましょう。

基礎の剥がれ

 

⑤表面仕上げ(カチオンフィラー

⑥修理完了

基礎の剥がれ

まとめ

一般のお客様はひび割れに対して敏感です。

ひび割れ=家が倒壊する?

そのため地震などが起きるとひび割れ修理を依頼されるケースが多いと思います。

ひび割れ注入は一見難しそうでも専用のキットも発売されており今までやったことが無い方でも工事可能です。

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