バスマットやコースターとして人気の珪藻土、最近では住宅の内装にも多く使われています。
では珪藻土を内装に使用すると私たちにどんなメリットとデメリットがあるのでしょうか。
今回は、「珪藻土」の基本知識、内装に珪藻土仕上げをするときのメリットやデメリットについて詳しく解説します。
内装仕上げで使用される珪藻土はどんな素材?
珪藻土は吸水性の高い素材として知られ、珪藻土で作られたバスマットやコースターが人気です。
そして最近では内装の塗壁材としても注目を集めています。
なぜ珪藻土は塗壁材として注目されているのでしょうか。その効果ついても確認していきましょう。
珪藻土とは?
珪藻土は、藻類に分類される「植物プランクトン」の死骸が海や川底で化石化したものです。
珪藻土には無数の穴があり、その穴から水分を吸ったり出したりします。
そのため珪藻土は「調湿性」に優れています。
ただし、珪藻土には固まる性質(自硬性)がありません。
よって内装仕上げに使用するときには珪藻土を固めるために「漆喰・セメント・樹脂」などの固化材を混ぜなければなりません。
ここで注意しておきたいのが、「樹脂」を固化材として混ぜている珪藻土です。
樹脂を固化材として使用する際に留意したいのは、珪藻土よりも樹脂の割合が高いと珪藻土にある穴を樹脂が塞いでしまいます。
そうなると調湿性能が十分に発揮できないこともあります。
そのため、珪藻土を選ぶときには、「固化材の種類、珪藻土の含有量」を確認しましょう。
珪藻土には体に有害な物質は含まれていない
珪藻土で内装仕上げをする際に心配なのが「安全性」です。
結論からいうと、珪藻土が人体に害を与えるという発表はされていません。
最近では中国産の珪藻土のバスマットやコースターに日本の基準値を超える「アスベスト(石綿)」が含まれていることが判明し、自主回収されるニュースがありました。
このニュースを受け、住宅に珪藻土を使用することを不安に思うかもしれませんが、珪藻土には発がん性もなく、健康面に害はないので安心してください。
珪藻土の安全性について、詳しくはこちらの記事を参照ください。
内装仕上げを珪藻土にするメリット
珪藻土がどのような素材なのかわかった上で、内装仕上げに珪藻土を使用する際には、どんなメリットがあるのか確認しましょう。
室内の調湿が期待できる
珪藻土には無数の穴が開いており、そこから水を吸収したり放出したりするので、調湿性能が優れています。
ただし、珪藻土仕上げにしたからといって完全に湿度を調節できるわけではありません。
部屋の湿度を快適に保つためには夏には除湿、冬には加湿がやはり必要です。
シックハウス症候群やアレルギーを予防できる
近年、住宅や家具に含まれている化学物質のホルムアルデヒドなどが原因で起こる、「シックハウス症候群」問題視されています。
とくに、アトピー性皮膚炎やアレルギー体質の方は、ホルムアルデヒドに反応して皮膚が痒くなってしまうことも。
珪藻土にはホルムアルデヒドを分解する性能があることから、シックハウス症候群やアレルギーへの予防として珪藻土を取り入れる住宅が多くなっています。
内装仕上げを珪藻土にするデメリット
調湿性能に優れ、シックハウス症候群などの健康面にもメリットの多い珪藻土ですがデメリットもあります。
ここでは珪藻土のデメリットについて確認していきましょう。
ビニールクロスと比べると高額
珪藻土は自然素材なので、ビニールクロスと比べ高額になってしまいます。
珪藻土のなかでも固化材の種類や、珪藻土の含有量によっても費用が変わり「できるだけ内装費用を安く抑えたい」と考えているなら珪藻土を使用しない方が良いです。
こすれると衣服が汚れる
珪藻土の表面はざらざらしているので、衣服がこすれると砂のような粉末が衣服についてしまいます。
小さなお子さまがいるご家庭では、壁にあたる度に衣服に粉末がつくと気になってしまいます。
最近ではこのデメリットを改善した、表面がツルツルとした珪藻土も販売されているので、お子さまがいる家庭ではそちらの珪藻土を検討してみてください。
自然素材とはいえないような珪藻土もある
自然素材として扱われている珪藻土に、同じく自然素材である漆喰を混ぜた塗壁材があります。
それは「100%自然素材」と言えます。
しかし、珪藻土と一括りにしていても固化材によっては「100%自然素材」と呼んでいいのか微妙なものもあります。
たとえば、合成樹脂を混ぜている珪藻土は、人によっては自然素材とは言い切れないでしょう。
このように、自然素材として扱っていいのか曖昧な部分があるのことは珪藻土のデメリットと言えます。
珪藻土のメリットとデメリットをしっかりと把握して内装に使用する
珪藻土は住宅の内装にも取り入れられている体に優しい自然素材です。
調湿性能に優れているので、近年問題視されている「シックハウス症候群」を予防できる素材としても注目されています。
アトピー性皮膚炎やアレルギー体質の方、小さなお子さんがいるご家庭にはおすすめしたい塗壁材です。
ただし、固化材の種類や珪藻土の含有量によって調湿性能効果が十分に発揮できないこともあるので、固化材や含有量に注意して使用しましょう。