
AGV(無人搬送車)を導入してから、「思ったように走らない」「止まる場所がある」と気付く現場は少なくありません。
原因の多くは、床の状態が、AGVの走路条件を満たしていないことです。
本記事では、AGVが走れない床の代表的な問題を6つに整理し、導入前に直すべきポイントと確認方法を解説します。

AGVの走路条件とは?
AGVのメーカーは、安定して走行できる床の条件を、「走路条件」として公開しています。
たとえば、国内メーカーの低床型AGVの公開仕様では、走路条件として「段差2mm以下、溝幅10mm以下、うねり5mm以下」としている例があります。一方、小型の自律走行ロボット(AMR)では段差5mm程度、屋外にも対応する大型機では15mm程度の段差を乗り越えられるとする製品もあります。
※数値は、各メーカーの公開資料(2026年10月確認)にある仕様の一例です。導入しているAGVの許容値は、必ずメーカーにご確認ください。

AGVが走れない床の問題6選
問題1. 段差がある
補修跡、床材の継ぎ目、設備の周囲などの段差です。許容値を超えると、停止や揺れ、荷崩れの原因になります。
問題2. 溝・目地の幅が広い
伸縮目地や排水溝の幅が広いと、小径の車輪が落ち込みます。目地の角が欠けて、幅が広がっている場合も同様です。
問題3. うねり(不陸)がある
床全体の緩やかな凹凸です。目視では分かりにくくても、走行時の揺れやセンサーの誤作動につながります。測定には、3mの直定規やレベル測定を使います。
問題4. 穴・欠けがある
アンカー跡、機械の撤去後、車輪や荷物の衝撃による欠けなどです。補修で埋めて、周囲と高さを合わせます。
問題5. 勾配(傾斜)がある
スロープや、排水のための勾配です。機種ごとに、登れる勾配の上限が決められています。積載物の重さによっても、条件は変わります。
問題6. 表面の状態が悪い(濡れ・油・粉塵・はがれ)
濡れた床や油で汚れた床は、車輪が滑りやすくなります。表面が粉化した床や、塗床のはがれがある床は、ほこりや破片が出て、センサーや車輪に影響します。
| 問題 | 主な影響 | 対策の例 |
|---|---|---|
| 段差 | 停止・揺れ・荷崩れ | 研削、補修材でのすりつけ |
| 溝・目地の広がり | 車輪の落ち込み | 欠けの補修、目地の見直し |
| うねり | 揺れ・センサー誤作動 | 研磨、レベリング材 |
| 穴・欠け | 車輪の引っかかり | 補修材での充填 |
| 勾配 | 登坂不良・スリップ | 勾配の見直し、機種の確認 |
| 表面状態 | スリップ・粉塵 | 清掃、表面強化、塗床補修 |

導入前の床の確認方法
- AGVのメーカーに、走路条件を書面で確認する
- 走行ルート全体の床を、目視で点検する(欠け・穴・はがれ)
- 3mの直定規と隙間ゲージなどで、段差とうねりを測る
- 許容値を超える箇所を、地図に印をつけて整理する
- 補修の優先順位を決め、工事の時間帯と工期を計画する
穴・欠けの補修は「マッハコン」
問題4の穴や欠けは、補修材で埋めて、周囲と高さを合わせるのが基本です。
導入スケジュールに余裕がない現場や、稼働を止められない現場では、ヤブ原産業の超速硬高強度コンクリート補修材「マッハコン」が使われています。
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マッハコンの主な特長
- 施工後10分で歩行、20分で車両通行が可能(気温23℃時の目安)
- 3時間でコンクリート以上の強度が発現し、圧縮強度は76N/mm²(一般的なコンクリートの4倍以上)
- 袋のまま練って、ゴム手袋をした手だけで施工できる(特別な道具は不要)
- 硬化後に痩せない。コンクリートに近い色で、補修跡が目立ちにくい
- エポキシ・ウレタンなどの塗床材や防水材も、後から施工できる
※硬化時間は気温23℃時の目安です。気温によって変化します。施工要領書では、車両通行までの目安を20〜60分としています。
マッハコンの使い方(4ステップ)
- 清掃:補修箇所を水で洗浄し、ほこりや砂を除きます。下地は湿った状態にします。
- 混練:3kg袋は水360ccを入れ、袋の中で手で揉み込んで混ぜます。2分以内に完了させます。15kgペール缶は材料1kgに水120ccで、一度の混練量は3kg以内にします。
- 充填:10分以内に補修箇所へ充填し、表面を軽く叩いて平らに均します。
- 養生:施工後10分ほどで歩行でき、20分ほどで車両が通行できます。
注意点として、マッハコンは床専用です(壁・天井には使えません)。混練後に放置すると、硬化反応の熱で60℃近くまで上がるため、取り扱いに注意してください。余った材料は産業廃棄物です。
製品の詳細は、ヤブ原産業のマッハコン製品ページで、カタログや施工要領書、組成・試験成績表をご覧いただけます。
AGVが止まる原因や、段差の許容値については、以下の記事で詳しく解説していますので、あわせてご覧ください。
https://yabu-sen.com/agv-step-shaking-causes
https://yabu-sen.com/agv-floor-step-tolerance
よくある質問
Q. AGV導入前に、まず何を確認すべきですか?
導入予定のAGVの走路条件(段差・溝幅・うねり・勾配など)を確認し、床の実測値と比べます。測定は、走行ルート全体で行います。
Q. 新築の床でも、確認は必要ですか?
必要です。新築でも、施工精度によっては、うねりや目地の欠けが生じていることがあります。引き渡し前に、走行ルートを確認してください。
Q. 床を直さずに、AGV側で対応することはできますか?
大きな車輪や段差対応機能を持つ機種もありますが、搬送物への衝撃や運用の制約が残ります。床の改善と、機種選びの両面で検討してください。
まとめ
AGVが走れない床の問題は、段差、溝・目地、うねり、穴・欠け、勾配、表面状態の6つに整理できます。
AGV導入前に、メーカーの走路条件と床の実測値を照らし合わせ、直すべき箇所を洗い出しましょう。
マッハコンは、施工後10分で歩行、20分で車両通行が可能で、3時間でコンクリート以上の強度を発揮する、床の欠損補修用の超速硬高強度補修材です。
製品の詳細は、ヤブ原産業のマッハコン製品ページをご覧ください。
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