左官仕事は建物を美しく演出するために、昔から受け継がれてきた伝統技術です。
けれど、大工や工芸職人などの体を使う建築仕事のメインは男性。
そんなイメージがありますが、女性でも活躍することができます。
今回は、左官職人になる方法や仕事内容、女性ならではの強みについて紹介していきます。
女性でも左官職人になれる!左官職人の仕事内容について
左官職人は「壁を仕上げる」イメージが強い仕事ですが、具体的にどんな仕事をしているのでしょうか。
ここでは、左官職人の仕事内容を紹介していきます。
室内の壁を仕上げる
左官職人の代表的な仕事が「壁の仕上げ」です。
鏝(こて)やローラーなどを使って、漆喰や珪藻土などの塗壁材を塗って壁を仕上げていきます。
左官職人が手がける模様にはたくさんのパターンがあり、職人の腕が試されるようなものもあります。
モルタル下地や土間打ちのならしを行う
住宅や建築物の駐車場やアプローチなど、外構の床を仕上げるのも左官職人の仕事のひとつです。
地面を整地し、モルタルやセメントを使って土間打ちで仕上げるまでの作業を一貫して左官職人が行います。
タイル貼りやブロック塀を作る
住宅を施工する場合には、キッチンや浴室などの住宅内にタイル貼りや土間打ちなどの意匠仕上げを施すこともあります。
また、外構部分であれば、ブロック塀を積み上げる作業を行うことも。
このように、建築物に関わる幅広い作業を左官職人が行っているのです。
女性でも左官職人になれる!左官職人になる方法
ここまでは左官職人の仕事内容を紹介しました。
では、どのようにして左官職人になるのでしょうか。
ここでは左官職人になる方法や資格、給与について紹介していきます。
未経験からでもなれる
左官職人になるためには資格は必須ではありません。
左官工事会社や外構工事会社に入社し、見習いとして仕事を始めることが一般的です。
高い技術が求められる作業が多い左官職人は、ベテランになるには年数がかかってしまいます。
けれど、10年以上続けていたら、主任や職長、親方といった責任者になることも十分可能です。
左官工事会社で十分に経験を積んでから、独立して一人親方として活躍する方も多く見られます。
また、左官職人は高齢の方が多くなってきているので、若い職人を育てるために未経験者を積極的に雇用している会社も増えています。
求人サイトを使った検索やハローワーク、「左官工事会社 ◯◯県」といった具合で検索し、住んでいる県の左官工事会社のサイトから求人に応募してみましょう。
管理職に就きたいのなら資格が有利
左官職人としてキャリアアップを目指したいのなら「左官技能士」の資格を取得しましょう。
左官技能士は国家資格のなかの「技能検定制度」にあたり、知識と経験が問われる資格です。
そのため、資格を取得していれば、現場の責任者を任されたときにも信頼感を得られます。
左官技能士には「特級・1級・2級・3級」と、4つの段階があり、特級・1級・2級は実務経験が必要ですが、3級は実務経験がなくても受験可能です。
「ある程度の知識を得てから左官職人になりたい」と考えている方は、3級の試験から挑戦してみてください。
給与や年収の相場
左官職人を目指すとき、やはり気になるのが「給与」だと思います。
厚生労働省が発表している「平成30年賃金構造基本統計調査」のデータによると、左官職人の平均月給は「30万円」。
ボーナスや特別賞与の平均は「32万円」、平均年収は「約394万円」でした。
しかし、左官職人は月収制をとっている会社よりも、日給制を設けている会社が多くみられます。
よって、月収や年収は作業量や技術によって前後します。
女性が左官職人になるときの強みや注意点
力仕事が多く「女性には難しそう」と感じがちな左官職人ですが、女性だからこその強みもあります。
ここでは女性が左官職人になるときの強みや注意点を説明します。
温かみのある仕上がりになりやすい
左官の仕事はおもに仕上げ作業なので、完成度の高さが求められます。
仕上がりによって住宅や建築物のイメージが変わってしまうため、意匠性や技術力が必要です。
女性は手先が器用な人が多いので、その器用さや女性だからこそ出せる繊細さを活かした仕上がりは、依頼主から喜ばれることも多いでしょう。
力仕事もやらなければならない
繊細な技術仕事が多い左官職人ですが、土間打ちや外構仕上げの際にはセメントを運んだり攪拌(かくはん)作業をしたりと、力が必要な作業も多くあります。
また、空調の効いていない室内外で作業するため、やはり体力は必要です。
女性でも大丈夫!左官職人を目指してみませんか?
左官職人になる方法や仕事内容、女性が左官職人になるときの強みや注意点について紹介してきました。
これまでは体を使う建築仕事は男性メインでしたが、最近では女性の左官職人も多くみられます。
体力が必要ではありますが、知識と経験を積めば確実にキャリアアップできるやりがいのある仕事です。
「女性だから…」と諦めず、チャレンジしてみてくださいね。