彩洗い出しは使用する材料がすべてセットになった商品です。
今回はその使用方法、施工法をまとめました。
施工に迷ったらぜひ参考にしてください。
玄関やアプローチ床仕上げに洗い出しがおすすめな理由を解説しています。
下地について
- 下地はコンクリート、またはモルタルです。(ブロック、洗い出し、砂利の上に直接” 彩洗い出し”を施工することはできません)
- 下地は完全に乾燥させてください。(含水率10%以下)
新設コンクリート…14日以上
モルタル下地…7日以上 - コンクリート・モルタルともに金ゴテ押さえ同等の精度としてください。(木ゴテ押さえ、刷毛引きの上には施工できません)
- 油脂類は、シンナーなどで完全に拭き取ってください。
- ひび割れ・不陸のある場合は下地の補修を行ってください。
- ほこり・ゴミ・コケなどは十分に清掃してください。
このセットに入っているもの(セット品のため材料は全てお使いください)
- 標準施工要領書
- 彩水性プライマー
- 彩洗い出しバインダー
- 骨材
- 目詰め材
- 水軽量袋
・ 一般用は15~34℃(3~10月)
・ 冬用は6~15度(11~2月)
でご使用ください。
※ノンスリップ仕様の場合は、ノンスリップ骨材が入っています。
※着色タイプの場合は、顔料が入っています。
施工前にご用意していただくもの
□にチェックを入れ、ご確認ください。
□金ゴテ
□彩目詰めゴテ 又は ゴムゴテ
□ローラー刷毛
□刷毛
□スポンジ
□ウエス
□練舟
□クワ
□台秤
□下げ缶
□練缶
□ハンドミキサー(セメント目詰め材用)
□ひしゃく
※彩専用洗浄剤(4ℓ)は別売りです。
骨材とバインダー(樹脂)を混錬する際は、ハンドミキサー(手持ち式電動撹拌機)を使用しないでください。撹拌不良によりバインダー(樹脂)の発泡及び骨材のふくれが発生します。
施工方法
1.プライマー塗布
プライマー塗布はコンクリート・モルタルと骨材との接着強度を増す為に行います。
箱を開けてプライマーを取り出し、プライマーをローラー皿等に移します。
端部などは廻りを汚さないように刷毛を使用してプライマーを塗布します。
プライマーはローラー又は刷毛で塗布してください。
吸込み量の少ない下地については、1回の塗布にしてください。ただし、吸込み量の激しい下地については、2回以上塗布してください。
※塗布後は乾燥させてから次工程に移ってください。塗布後、乾燥までの時間は夏期1時間、冬期2時間以上が目安です。
※プライマーが溜まっている場合、または塗布し過ぎた場合は、ウエス等で拭き取ってから骨材の塗り付けを行ってください。
2.樹脂の混入と混錬
練舟に骨材1袋に、バインダー(樹脂)1パックをすべて入れます。
※パックを折りたたみ、バインダーを完全にしぼり出してください。(樹脂不足による骨材剥離の原因になります)
骨材に樹脂が均一に混ざるまでクワでよく混錬して下さい。
※セット品以外の物は絶対に混入しないでください。
ノンスリップ仕様の場合は必ず、骨材と樹脂の混錬後に、ノンスリップ骨材をふりかけ再度よく混錬して下さい。(ノンスリップ骨材がムラになるのを防ぐためです)
骨材と樹脂の混錬の注意点
数量を多く混錬するには、モルタルミキサーを使用すると便利です。
※ハンドミキサー(中・高速)を使用しての混錬は樹脂だまりができやすいため、使用しないでください。
3.骨材の塗り付け
混錬した骨材は、すばやく2分石は8mm厚、3分石は10mm厚平均で塗りつけてください。
※他の部材等にバインダーが付着すると、その箇所が変色や染みになって除去できなくなる場合がありますので、十分注意して施工してください。(テープで養生しても、テープから浸みこむ場合があります)
混錬後の可使時間は、一般用(30℃)約50分。
冬用(15℃)約40分ですので、時間内に施工を終了してください。
彩専用洗浄剤を含ませた刷毛等で金ゴテを拭き、コテ切れをよくしてください。
金ゴテでよく押えて表面を密にします。
※骨材の塗り付けが悪いと、目詰めを行った場合、仕上がりムラの原因となります。
骨材盛り付け状況
■良い例
・緻密時な状態
・骨材が押さえられている
目詰めをして仕上がった状況
■悪い例
・押さえ込み不足で骨材の不揃えがある
・骨材が立っている
目詰めをして仕上がった状況
発泡対策
樹脂だまりがあると発泡がでます。
発泡は施工後1時間~2時間で発生します。
硬化前なら発泡は消すことができます。
※刷毛を横に動かすと、硬化前の骨材が動いてしまうため避けてください。
4.養生
養生時間
夏期:12時間以上(翌日以降)
冬期:36時間以上(中1日以上)
養生時間をおき、樹脂が完全に硬化し、ベタつきがないことを確認してから目詰めの工程に移ってください。
5.目詰め材の混錬
夏期:翌日以降
冬期:3日目以降
目詰め材1袋に対する水量
■2分石
一般用・冬用共通…1.2kg~1.3kg
■3分石
一般用・冬用共通…1.6kg~1.7kg
目詰め材の水量を測る際、台秤がない場合は、付属の水計量袋を使用して水量を一定にしてください。
※水量を一定にしないと目詰め材の色ムラ、白華の原因になります。
目詰め材は以下の原因で色ムラになる可能性があります。
水比が一定でない・施工日が違う・施工後、乾燥前にものを置いた場合
塗り手が違う場合、日当たりの違い、白華した場合など
ハンドミキサーでダマができないように十分混錬してください。
使用材料
顔料
6.目詰め材の流し込み
練り上がった目詰め材はしまりが早いためすぐに広げ流してください。
広げ流すにはゴムレーキがあると便利です。ゴムレーキがない場合はゴムゴテで行ってください。
7.目詰め材のかき出し
目詰め材を広げ流してから5分~10分後に、目詰め材の余剰分を彩目詰めゴテ、またはゴムゴテのフチを使ってかき出します。
彩目詰めゴテの場合
通常とは逆方向にコテを動かしてください。
コテを斜め45度に立て、矢印の方向へかき出してください。
ゴムゴテの場合
ゴムゴテを出来るだけ直角に立て、縦・横方向へ直線的にかき出してください。
扇状にかき出すと仕上り後跡が残る場合があります。
(ゴムゴテが劣化していると十分にかき出しできない可能性がありますので、なるべく新品をご使用ください)
8.目詰め材の拭き取り
かき出し後、30分~1時間で水分が引いてきます。
目詰め材が締まってきた段階で拭き取りを開始して下さい。
※拭き取りが遅れると、目詰め材が固まり拭き取れなくなります。
水をつけ、固く絞ったスポンジで拭き取ります。
ムラがなくなるように丁寧に拭き取ります。
スポンジで円を描くようにふき取ります。
かき出しが甘いところは少し力を加えることで石目を出すことが出来ます。
全体が均一の石目になるように調整して下さい。
石目の調整が完了したら、スポンジを縦・横に動かして表面をきれいに拭き取って下さい。
※拭き取り筋が残らないよう注意して下さい。
9.仕上げ拭き
スポンジの拭き取り後30分~1時間で石の表面が 白くなります。
仕上げ拭きは乾いたスポンジ、ウエスで石の表面についた目詰め材のセメント粉を拭き取って仕上りとなります。
10.施工完了
石に艶が出てきています。
乾燥後 セメントが乾き色になります。(環境により濃淡差があります)
かき出し・ふき取りの加減で仕上がりに差が出ます。
石目をしっかり出した仕上がり
石目を抑えた仕上がり
白華の対処法
もし白華が出てしまった場合スーパーエフロクリーン(別売)で白華を除去できます。
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