コンクリート面にコケが生えてくると非常に見栄えが悪く、また放置するとどんどん増えてしまうため対策をしようにもたいへんです。
コンクリートにコケが生える原因は、その環境に起因することが多く、まずはコケが生えにくい環境づくりがキモになります。
また生えてしまったコケについては、コンクリートの劣化が進行しないよう、できるだけ早く取り除くことが重要です。
そこで今回は、コンクリートにコケが生える原因とはどのようなことなのか、また効果的な取り方や注意点について解説したいと思います。
コンクリートにコケが生える原因は?
コンクリートにコケが生えるのは、多くはその環境にあります。
コケは胞子植物のひとつで、胞子と呼ばれる生殖細胞が放出されると空気中を浮遊し、あらゆる場所へと運ばれていきます。
胞子が風に運ばれ辿り着いた場所が生育しやすい環境だった場合、そこで繁殖することがあるわけです。
コケが生育しやすい環境とは、おもに以下の2点が挙げられます。
・水分がある
・日当たりがよくない
水分がある
コケは植物であるため、水分が供給される環境が必要です。
例えば、風通しが悪い場所や軒下といった雨が降った後に水分が残ってしまうような場所などは、コケにとって生育しやすくなります。
またその他にも、結露が発生する建物の外壁や、凹凸がある壁面なども、水分が供給されやすい環境です。
日当たりがよくない
コケは、成長するために光合成を行うことから、光が必要です。
しかし、日光が当たり過ぎて水分を失うようでは生きていけないため、あまり日当たりのよくない場所を好みます。
例えば、北側に位置し日陰になりやすい場所などは、コケにとって非常に都合がよい環境です。
コンクリートに生えているコケの取り方
コンクリートに生えているコケを効果的に取る方法についてご紹介いたします。
おもな方法は以下の3つです。
・カビ取り剤で取る
・コケ専用の駆除剤で取る
・コンクリ汚れイッキ落ちで取る
カビ取り剤で取る
まずはカビ取り剤で取る方法です。
カビ取り剤とは一般的によく使われる「カビキラー」などで、これらはコケにも一定の効果が期待できます。
コケの多くは、カビ取り剤を直接吹きかけブラシでこするだけで取り除けます。
ただし「カビキラー」などカビ取り剤は、非常に強力な洗剤であるため、変色するなどコンクリートを傷めてしまう可能性もあります。
そのため、少し薄めて使うか、使用する前に目立たない部分で試してみるとよいでしょう。
コケ専用の駆除剤で取る
続いて、コケ専用の駆除剤を使う方法です。
コケ専用を謳う駆除剤は、ホームセンターやネット販売など多く出回っています。
そもそもコケを枯らすことを目的につくられているため、コケ取りとしての効果は大いに期待できます。
使い方も簡単で、コケ専用の駆除剤をコケに直接吹きかけるだけで枯らすことが可能です。
なお、同じ駆除剤でも一般的な除草剤では効果はありません。
購入する際は、コケ専用のものを選ぶことがポイントです。
コンクリ汚れイッキ落ちで取る
最後はヤブ原産業のコンクリート用洗浄剤「コンクリ汚れイッキ落ち」を使う方法です。
「コンクリ汚れイッキ落ち」は、コケだけでなくコンクリートに付着したあらゆる汚れを化学分解で落とす即効性のある洗浄剤になります。
手順を簡単に解説いたします。
①材料塗り | まず全面に散水し、「コンクリ汚れイッキ落ち」を塗布した後に泡状の反応が鎮まるまで待ちます。 |
②洗浄 | 乾燥する前に、大量の水を流しながらブラシでこすり洗いをします。 洗い水が残るとシミになるケースもあるため、ゴムレーキやウエスでふき取ります。 |
③乾燥養生 | 放置して乾燥させます。 |
④片づけ | 使った道具をしっかり洗って終了です。 |
コンクリートのコケ取りをするときの注意点
コンクリートのコケを取るときには注意しておきたいことがあります。
おもな注意点は以下の2つです。
・塗装面のコケ
・高圧洗浄
塗装面のコケ
塗装面にコケが生えているようなら、すでに塗膜が劣化している可能性があります。
というのも、表面塗装をするとコケなどは生えにくくなりますが、塗膜が劣化すると防水機能が衰え水分が残ってしまうためです。
よって、この場合はコケ取りと同時に塗装を検討する必要があります。
そのときには、防カビや防藻などの機能を付加することで、予防効果も高まるでしょう。
高圧洗浄
高圧洗浄機を使う場合は、あまり水圧を上げ過ぎるとコンクリートを傷める場合があります。
とくに表面が剥離するようなら、コンクリートの劣化を早めてしまう原因にもなってしまいます。
しかし一方で、水圧を下げ過ぎると取れにくくなるため、水圧調整は判断が難しいのです。
そのため、高圧洗浄でうまく取れない場合や判断に困った場合などは、専門業者に相談することをおすすめいたします。
専門業者であれば、水圧の調整にも長け、バイオ洗浄など特殊な方法に対応することも可能です。
コンクリートのコケ取り:まとめ
コンクリートにコケが生えるのは環境に起因するケースが多いため、風通しをよくするなど、まずはできる範囲で環境を見直してみることも重要です。
また、コケが長期間残っている状態は、劣化を早めることから、放置することなく早めに取り除く必要があります。
今回ご紹介した方法を試してみるか、あるいは専門業者に相談して対応を検討しましょう。