塗装工事や防水工事など、建築工事で頻繁に登場するもののひとつに「プライマー」があります。
あらゆる建築工事において仕上げの品質を高めるには、適切に下地処理を行うことがきわめて重要なテーマとなります。
そして、その下地処理で重要な役割を担っているのが「プライマー」です。
しかし、「プライマー」にはいくつかの種類があり、またそれぞれ特長も異なるため、シーンによって使い分ける必要があります。
そこで今回は、建築工事における下地処理で重要な役割を担う「プライマー」とはどのようなものなのか、また種類や特長について徹底解説したいと思います。
プライマーとはなに?
プライマーとは、建築工事の下塗り塗料として用いられる材料のことで、上塗りとの接着性を高めたり、あるいは下地を強化したりするなど、下地処理がおもな目的となります。
そもそもプライマーは、英語の「primary」に由来しており、「初期の」や「最初の」といった意味があります。
つまり、最初に塗る塗料というわけです。
またプライマーは、種類によって用途が異なりますが、とくによく知られているのは「接着プライマー」としての効果になります。
塗装や防水工事などは、まず下地の傷みなどを補修する作業である「下地処理」を行い、その下地面へ下塗りとしてプライマーを塗ります。
さらに、仕上げ用の塗料などを重ねて塗りますが、この下地面と仕上げ塗料の接着性を確保する役割がプライマーです。
この接着性が塗膜の性能を十分に発揮するうえで欠かせない要素となります。
というのも、下地と仕上げ塗料の接着が不十分であれば、本来の性能を得ることはきわめて難しいためです。
仕上がり品質を高めるには、下地処理および下塗りを万全に行うことが重要なポイントとなります。
プライマーの種類とその特長とは?
プライマーにはいくつかの種類があり、それぞれ特長や期待できる効果が異なります。
プライマーの種類のなかでも、建築工事において仕上げ材のプライマー以外に使用されるケースが多いのは以下の2つです。
・防錆プライマー
・浸透性プライマー
防錆プライマー
防錆プライマーは、金属下地へ使用することが多いプライマーです。
防錆プライマーの特徴は、防錆機能を持つ顔料が配合されているため、金属の錆びを抑制する効果が期待できます。
金属下地の最大の弱点といえるのは錆びです。
せっかくきれいに塗装しても、錆びのある状態では密着性を保つことは難しく、早い段階で塗膜の剥離を誘発する可能性があります。
そのため、金属下地に塗装するときには、丁寧な下地処理行い、さらに防錆処理を施すことが重要になります。
下塗りとして防錆プライマーを使用することにより、接着と防錆の効果が期待できます
浸透性プライマー
浸透性プライマーは、コンクリートやモルタルなど無機質系下地へ使用することが多いプライマーです。
浸透性プライマーの特長は、粒子が非常に細かいため、傷みの見られる下地に対して深くまで浸透し強化する効果が期待できます。
コンクリートやモルタルなど無機質系下地は非常に耐久性の高い素材ですが、施工時の雨打たれや経年劣化によって表面が傷んでしまうことがあります。
このような場合、浸透性プライマーを塗ることにより、表面にある脆弱層へ浸透し、強化を図ることが可能です。
また、弊社では、脆弱な無機質系下地を圧倒的な浸透力で強化する「ガッチリ浸透プライマーW/寒冷地」という商品を提供しています。
「ガッチリ浸透プライマーW/寒冷地」は、脆い下地を強化させて上塗りを可能にする水性タイプの浸透強化剤です。
なお、「ガッチリ浸透プライマーW/寒冷地」に関する詳しい内容はコチラの記事を参考にしてください。
まとめ
プライマーとは、塗装や防水工事など建築工事におけるあらゆるシーンで使われる下塗り用の塗料のことをいいます。
新築工事や修繕工事に関わらず、仕上がり品質を向上させるには下地処理がきわめて重要です。
この工程を怠ると、一見よい出来栄えであっても、本来の性能を得ることは期待できません。
仕上げを考慮した下地処理をすることや下地に適した下塗り材を使うことが、十分な品質を得るうえで重要なポイントとなるでしょう。