鉄筋腐食によるコンクリート仕上げ剥落メカニズムと対策方法

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近年、竣工後30年以上経つ建物のコンクリートが剥落してしまう現象が問題視されています。

剥落の原因は「鉄筋の腐食」です。では、なぜコンクリートに囲まれているはずの鉄筋が腐食してしまうのでしょうか。

コンクリートが剥落してしまう原因や対策について説明します。

コンクリートと仕上げ層の剥落状況について

冒頭にも書いた通り、竣工後30年以上経過している建物のコンクリートの剥落が多く起こっています。

コンクリートの剥落は隅角部から起こり、剥落部分から周囲のコンクリートにも剥落が広がっていきます。

剥落したコンクリートが落下すると、通行人に怪我をさせてしまうことも。実際に国内でもコンクリートの剥落による落下事故が多数起こっています。

では、なぜコンクリートは剥落してしまうのでしょうか。

剥落してしまう原因について

コンクリートが剥落してしまう原因は「鉄筋の腐食」です。

では、コンクリートに囲まれている鉄筋が腐食してしまう原因を説明します。

 鉄筋が腐食してしまう原因は、「柱部分の鉄筋のかぶり厚さとコンクリートの中性化」にあります。

かぶり厚さとは、鉄筋コンクリート(RC造)、鉄骨鉄筋コンクリート(SRC造)での、鉄筋または鉄骨の表面とコンクリートの表面までの最短距離のことです。

次に、コンクリートの中性化とは、強アルカリ性であるコンクリートが空気中の二酸化炭素の影響によって中性化してしまう現象のことです。

中性化はコンクリートの表面から起こりますが、コンクリートの強度に影響を与えることはありません。

しかし、鉄筋の柱部分にかぶり厚さが十分にない場合、コンクリートの中性化が進行すると、コンクリート内部の鉄筋に影響を与えてしまうのです。

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鉄筋の位置までコンクリートが中性化してしまうと、酸素と水分が入りこみ腐食、つまり錆びてしまいます。

鉄筋や鉄骨は錆びると体積が膨張する性質があり、膨張によってコンクリートがひび割れを起こします。

ひび割れたコンクリートの隙間からさらに雨水や酸素が入り込み、腐食が進行した結果、剥落してしまうのです。

剥落部分の補修方法

剥落部分から鉄筋や鉄骨が露出している場合、まずは防錆処理を行います。

処理後にポリマーセメントモルタルで補修。

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剥落していない場所も部分的に削り、中性化や腐食状況を確認します。

もしも腐食がみられた場合には防錆処理を行います。

最後に、今後コンクリートの中性化を進行させないために、防水性が期待できる「下塗り・主材・上塗り」の複層仕上塗材で仕上げる流れです。

コンクリート剥落を防ぐためには

コンクリートの剥落を防ぐためには、鉄筋のかぶり厚さを十分に確保してください。

とくに剥落を起こしやすい出角部分には注意が必要です。

また、鉄筋の腐食の原因となるコンクリートの中性化を防ぐために、防水性を考慮した複層仕上塗材を用いることも効果的です。

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