【外壁塗り壁】ジョリパット仕上げのメンテナンス方法

[著]
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住宅の外壁仕上げといえばサイディングが主流となっていますが、「塗り壁」という選択肢も有効です。

「塗り壁」には、土塗りや漆喰、モルタルなどいくつかの種類があり、なかでも「ジョリパット」は非常に人気が高く、多くの住宅で見られます。

しかし「ジョリパット」も、他の仕上げ方法と同様、経年とともに劣化するため、長く良好な状態を保つには適切にメンテナンスを行わなければなりません。

そこで今回は、外壁塗り壁のなかでも人気の高い「ジョリパット」仕上げのメンテナンス方法について解説します。

そもそもジョリパットとは?


ジョリパットとは、もともとフランスで開発された素材で、日本ではアイカ工業から1975年に販売された塗り壁材のことをいいます。

ジョリパットの人気の秘密は、180以上のカラーバリエーションと100以上の仕上げパターンがあるなど、豊富なデザインのなかから選べる自由度の高さが挙げられます。

その他にも、耐候性や防汚性に優れること、また内装仕上げとして使うと調湿性や抗菌性が期待できることなど、機能性の高さも魅力となっている塗り壁材です。

ジョリパットのメンテナンス方法

ジョリパットは、経年とともに必ず劣化します。

しかし、適切なメンテナンスを行うことにより、長く良好な状態を保てることも特長となっています。

ジョリパットの主なメンテナンス方法となるのは以下の2つです。

・洗浄
・塗装

洗浄

 

ジョリパットの特長のひとつに、防汚性に優れることが挙げられます。

これは、壁面に汚れが付着しても、雨水で浮かせて一緒に流す親水性を有していることからです。

ところが、仕上げパターンによっては、凹凸が大きく、汚れが溜まりやすくなることが注意点です。

汚れが残った状態は、劣化を早める原因にもなるため、定期的に洗浄することが重要になります。

つまり、残っている汚れを強制的に洗い流すことにより、劣化要因を取り除き、長寿命化を図るというわけです。

洗浄方法は、ホースを使って全体を洗い流すだけでも効果を発揮します。

落としにくい汚れは、ブラシで軽くこすったり、あるいは中性洗剤を使ったりすることも有効です。

なお、高圧洗浄機は、水圧により表面の剥落を引き起こす可能性があるため、利用には適しません。

塗装

ジョリパットは、顔料を混ぜて色を付けていますが、紫外線の影響を受けて劣化するため、適切なタイミングで塗装などのメンテナンスが必要となります。

しかし、 ジョリパットは、水分の浸透および放出させる性質を有していることから、透湿性の低い塗料を使うと「浮き」や「膨れ」などの不具合を生じる可能性があります。

そのため、塗装を行うときには、透湿機能のある塗料を使うことがポイントです。

なお、アイカ工業では「ジョリパットフレッシュ」というジョリパットの塗り替え用の塗料を販売しており、この塗料を使うことが間違いのない方法といえるでしょう。

ジョリパットのメンテナンスを行うタイミングについて

ジョリパットは、経年劣化にともなう適切なメンテナンスが必要となりますが、そのタイミングとは10年以内が目安といわれています。

ただし、環境によって劣化状況も変わるため、タイミングについては症状から判断することがポイントとなります。

ジョリパットのメンテナンスを行うべきおもな劣化症状とは、以下の通りです。

・コケ、藻の発生
・ひび割れ

コケ、藻の発生

ジョリパットの表面にコケ、藻などが発生している場合、早めにメンテナンスを行うべきと判断できます。

コケ、藻は植物であり、水分と適度な日光がある場所で発生しやすいことから、北側の壁などでよく見られます。

また、劣化が進行し、防水性が低下した状態は、コケ、藻などが発生しやすい環境です。

根を張って繁殖する前に塗装などのメンテナンスを検討する必要があるでしょう。

ひび割れ

ジョリパットの表面にひび割れが発生している場合、早めにメンテナンスを行うべきと判断できます。

ジョリパットは、下地の動きの影響や、素材自体の膨張収縮により、ひび割れが起こることがあります。

この症状も劣化の進行による防水性の低下が要因のひとつと考えられ、塗装などのメンテナンスを検討することが重要です。

まとめ

外壁の塗り壁は、左官技術でしか表現できないオリジナルデザインが魅力の仕上げ方法です。

なかでもジョリパットは、バリエーションが豊富でおしゃれな外観をつくれるとして高い人気を得ています。

しかし、劣化による影響は避けられないため、長持ちさせるためにも適切なタイミングでメンテナンスを行うことが重要です。

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