1液型塗料と2液型塗料の違いとは?メリットとデメリットもあわせて解説

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塗料には、1液型と2液型の2種類があります。

1液型は1缶でも塗料として使用できますが、2液型は2缶を混ぜ合わせなければなりません。

1液型と2液型にはそれぞれメリットとデメリットがあり、使用できる箇所も異なります。

今回は塗料に関する基礎情報をはじめ、1液型、2液型塗料の違いやメリット、デメリットを解説します。

塗料について

塗料を選ぶときには、1液型か2液型の他に「グレード・水性または油性」を決めなければなりません。

グレードの種類は以下の5つです。

・フッ素
・ラジカル
・シリコン
・ウレタン
・アクリル

 

グレードというのは、塗料の「耐久性」で決まります。

耐久性は「フッ素>ラジカル>シリコン>ウレタン>アクリル」の順で高く、耐久性の高いものほど価格も高額になっていきます。

現在ではアクリルとウレタンの塗料が使われることはほとんどなく、シリコンやフッ素、新しく開発されたラジカル塗料が主流です。

続いて、水性と油性の違いについて説明します。

水性と油性は「何で塗料を薄めるか」によって変わります。

水で薄める塗料は「水性」、シンナーで薄める塗料が「油性」です。

次からは1液型、2液型塗料の違いについて説明していきます。

1液型と2液型の違いについて

塗料の基礎知識として、塗料を選ぶときにはグレードや水性・油性などを選択しなければならないとわかりました。

ここからはこの記事の本題である、1液型と2液型の違いについて説明します。

硬化剤を混ぜ合わせるかどうかの違い

1液型、2液型塗料の大きな違いは、1缶で塗料として使用できるか、2缶を混ぜ合わせて使うかどうかの違いです。

1液型は1つの塗料を水やシンナーで薄めて使用します。

2液型には主剤と硬化剤の2缶がついているので、これらを混ぜ合わせてから水やシンナーで薄めて使用しなければなりません。

また、2液型は主剤と硬化剤を混ぜ合わせると「硬化」が進み、すぐに使用しなければ固まってしまいます。

使用できる箇所が違う

1液型と2液型の塗料は使用箇所も異なります。

1液型が使用できる箇所は、以下の4つのみです。

・コンクリート
・セメントモルタル
・サンディングボード
・旧塗膜

 

旧塗膜というのは「既存の塗膜」を指しています。

リフォームなどの再塗装時などに使われる用語です。

2液型が使用できる箇所は以下の通りです。

・1液型で使用できる箇所
・ALCパネル
・GRC板
・押出成形セメント板
・スレート板
・亜鉛メッキ鋼
・アルミニウム
・ステンレス
・その他金属

 

2液型は耐久性が優れているため金属も塗装可能で、1液型と比べると塗装できる箇所がとても多くなります。

耐用年数が違う

1液型と2液型の耐用年数は、メーカー表記ではどちらも「12〜15年」とされています。

しかし、2液型は硬化剤を混ぜて塗装するため、1液型よりも塗膜が強力です。

実験結果ではなく、あくまで外壁塗装業者による感覚ではありますが、耐用年数は1液型よりも2液型のほうが「3年程度」長くなると言われています。

そのため、外壁塗装や屋根塗装などのメンテナンスが大変な場所には、2液型が使用されることが多いです。

1液型のメリットとデメリット

1液型と2液型の特徴がわかりましたが、どのようなメリットとデメリットがあるのでしょうか。

ここでは、1液型のメリットとデメリットを説明します。

メリットは価格が安く手間がかからないこと

1液型のメリットは価格が安く、手間がかからないことです。

1液型のほうが2液型よりも「1割程度」価格が安く設定されています。

また、塗料を水またはシンナーで薄めるだけですぐに使用できるので、攪拌の手間も省けます。

さらに、1液型は塗料に硬化剤がすでに配合されているため、その日に残った塗料も硬化することはなく、「半年〜1年程度」は使用することができるのもメリットと言えるでしょう。

デメリットは使用箇所が限られること

安価で手間がかからない1液型ですが、使用箇所が限られることがデメリットです。

1液型塗料を使用できるのは、先程挙げた4箇所のみ。それ以外の場所に使用することはできません。

2液型のメリットとデメリット

ここでは、2液型塗料のメリットとデメリットを説明します。

メリットは汎用性が高く、耐久性にも優れていること

2液型の塗料は汎用性が高く、耐久性に優れていることがメリットです。

塗膜が強力なため、さまざまな場所に使用できます。

また、高い密着性で外壁や屋根にしっかりと密着し、紫外線や雨風などからも外壁や屋根を守るので耐久性も高く、長持ちします。

デメリットは価格が高く手間がかかること

汎用性が高く、耐久性にも優れている2液型ですが、1液型よりも価格が高く使用に手間がかかることはデメリットと言えるでしょう。

2液型の価格は、1液型よりも「1割程度」高くなります。

また、使用時には主剤と硬化剤を攪拌してから水やシンナーで薄めるため、とても手間がかかります。

さらに、主剤と硬化剤を混ぜ合わせた瞬間から「硬化」が進むため、混合したら3〜5時間程度で使い切らなくてはなりません。

攪拌や作業にスムーズな作業が求められるため、2液は外壁塗装会社や左官職人などのプロが使用することが多いです。

まとめ

今回は、1液型と2液型塗料の違いについて説明しました。

塗装の初心者がDIYをする際には1液型が使われることが多いのですが、外壁塗装会社や左官職人は2液型を使うことが多いようです。

しかし、費用から1液型を選ばれる施主さんもいらっしゃいます。

その際には、1液型と2液型の違いやメリット、デメリットを説明できるように、今回説明した内容をしっかり頭に入れておきましょう。

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