現場をやっていると、ラス下地やラスという言葉をたまに耳にします。
言葉のイメージ的に金網的なモノを張ってモルタルを塗るということは何となくわかります。
近年は木造や鉄骨造でサイディングが多く採用されているためあまり目にする機会がありません。
今回はそんなラスについて、ラスとは何なのか、ラス下地はどういうモノなのかを解説します。
ラス下地とは
合板を下地にした場合、直接モルタルを塗ることができません。
そのためモルタル下地を下地に固定、強固にするためラス下地とします。
施工方法は、まず下地板の上に防水紙を張り、その上にラスと呼ばれる金属系の金網(メタルラスやワイヤーラス等)を張ってモルタルを施工します。
モルタルの付きを良くするための工法から、ラスモルタルとも呼ばれます。
外壁の場合は雨水の侵入を防ぐために必ず防水紙を張ります。
内壁の場合はそのような決まりはありません。
しかし防火認定や住宅瑕疵担保履行法の認定基準に基づいて施工する必要があります。
ラス下地に入るもの① 防水紙
下地に入れる防水紙は単に水の侵入を防ぐだけでなく、モルタルのアルカリによって下地の劣化を予防する効果があります。
防水紙には、アスファルトフェルトという防水紙が一般的に使用されます。
アスファルトフェルトとは、古紙に繊維くずを混ぜて作られたフェルトへアスファルトを染み込ませたものです。
アスファルトには水をはじく性質があるため、アスファルトフェルトの防水紙を貼ることで雨水の浸入を防ぐことができます。
防水紙は20kg、17㎏、8kgとあり、20kgのものが最も防水性能が高く、20kgフェルトとも言われます。
その他に、改質アスファルトフェルトを使った防水紙もあります。
これはアスファルトの弱点である高温や低温に弱いという特性を、合成ゴムや合成樹脂を混入することで弱点を改善したものです。
そのように改質アスファルトは高温から低温まで広い温度範囲に優れた特性を持ちます。
その改質アスファルトと合成繊維不織布を用いて防水性と強度を向上させたものが、改質アスファルトフェルトです。
アスファルトフェルトと比較して若干価格は高いものの、軽量で、柔軟性があり、寒冷地でも折れることなく、作業性が良いといった特徴があります。
ラス下地に入るもの② ラス
下地補強用に入れる金属製の金網をラスと呼びます。
ラスの種類 波形ラス
従来のラス材に波付加工が施されることによって、ラスとモルタルがよく絡み、剥落防止性能が高く、塗り厚を実現しやすいことから防火性能、耐震性能が向上したものです。
ラスの種類 メタルラス
薄い鉄板に切れ目を入れ、引き伸ばして網状にしたものです。
モルタルの塗り厚が薄いと被り厚が小さくなってサビやすくなります。
ラスの種類 ワイヤラス
鉄線(ワイヤー)を網上に編んだもので、ひし型、甲型、丸形の種類があります。
現在はほとんど見かけません。
ラスの種類 リブラス
メタルラスに150mm間隔のリブを付けたものです。
リブが入っている分強度が高まります。
ラスの種類 ハイラス
編み目が非常に小さいことから吹き付けモルタルによる施工にも適しており、コテ塗りが早く容易にできます。
ラスの種類 通気ラス
ラスと防水紙が一体化したものです。
外壁と躯体の空間を確保することができるため、湿式通気工法に適しています。
ラスの種類 ラスシート
角波成形が施された亜鉛メッキ薄鉄板の片面にメタルラスを溶接し一体化させたもので、強度が高く、防火・防水・防鼠虫・遮音性を兼ね備えています。
ラスの種類 W-ラス
W-ラスは縦横均一に太さ1.6mmの力骨をラス網に溶接し、力骨には150mm間隔で波付が施された、耐震性と施工性に優れた下地材です。
ラス下地に入るもの③ ステープル
ステープルとは又釘、タッカー釘の総称で、ラス網やフェルトを躯体に留めつける接合材です。
ステープルはモルタルと下地の剥落を予防する効果もあります。
線径の太いステープル、腐食しにくい高品質のステープル、躯体に対して垂直に入っていくステープルを使用すると効果的で、線幅10mm、足高19mm以上が良いとされています。
まとめ
ラス下地はひび割れが入りやすい、施工に手間がかかるなど敬遠されがちです。
しかし、ラス下地により左官塗りができることでより重厚感、高級感のある塗り塗装の外壁にすることができます。
サイディングでは演出できない建物の雰囲気作りに、ラス下地の左官塗り仕上げ いかがでしょうか。