コンクリートの劣化は補修で解決!症状別の補修方法を解説

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ビルやマンションなどの建物は、強い構造でつくられているため非常に優れた耐久性を有していますが、長く使うためにもメンテナンスは欠かせません。

とくにコンクリートの劣化が進行すると建物寿命に大きく影響することから、症状を見きわめながら適切に補修していくことが重要です。

コンクリートが劣化するといくつかの特徴的な症状が現れますが、緊急性のないものや逆に深刻なものもあります。

それぞれの症状に合わせて適切に補修をすることで、建物の長寿命化が図れるのです。

今回は、コンクリートのおもな劣化症状と、それらに適した補修方法をくわしく解説します。

 

<コンクリートのおもな劣化症状について>

コンクリートは経年とともに必ず劣化しますが、進行を食い止め建物を守るには補修が必要になります。

補修が必要となるコンクリートのおもな劣化症状は以下の3つです。

  • ひび割れ
  • 爆裂
  • 欠損
  • ひび割れ

コンクリートのひび割れは比較的よく見られる症状で、施工時の問題や経年劣化によるものなど、さまざまな原因が考えられます。

そしてひび割れには、危険性はなく補修の必要性はないものと、逆に危険性が高く補修が必要なものに分けられます。

その違いとは、おもにひび割れの幅を確認することで判断することが可能です。

  • 危険性が低く補修の必要性はないひび割れ:幅0.3mm未満
  • 危険性が高く補修が必要なひび割れ:幅0.3mm以上

0.3mm未満のひび割れは「ヘアークラック」と呼ばれ、構造に大きな影響を与えるものではなく、緊急的に補修する必要はないとされています。

ただし、見栄えは悪く、時間の経過とともに規模が拡大していくこともあるため警戒しておくことが重要です。

0.3mm以上のひび割れは、構造に影響を与える可能性があるひび割れとして捉え、適切な補修を検討する必要があります。

ちなみに構造に影響があるひび割れのことは、「構造クラック」や「貫通クラック」などと呼ばれています。

  • 爆裂

コンクリートの爆裂とは、内部の鉄筋が錆びて膨張することで内側からコンクリートを破壊することをいいます。

通常アルカリ性を保っているコンクリート内部は、空気中の炭酸ガスと反応すると表面から徐々にアルカリ性を失っていく「中性化」を引き起こします。

鉄筋はアルカリ性に覆われていることで腐食から守られていますが、「中性化」が鉄筋まで及ぶと錆びてしまうことがあり、その結果として爆裂を起こすのです。

爆裂が起こると範囲をどんどん拡大させていく重大な症状で、建物寿命を縮める原因となります。

必ず適切な方法で速やかに補修することが重要です。

  • 欠損

コンクリートの欠損とは、物理的に生じる欠けや割れのことをいいます。

コンクリートに何かが衝突したり、その他凍害やアルカリシリカ反応が起こったりするなど、さまざまな原因が考えられます。

規模が大きい欠損であれば、中性化による鉄筋の腐食が起こりやすくなるため注意が必要です。

あるいは、すでに鉄筋が露出していたり、また錆びてしまっていたりすることも考えられます。

鉄筋への影響が懸念されるような欠損は、速やかに補修することが重要です。

<コンクリートの劣化症状別の補修方法について>

ここからは、コンクリートの劣化症状別の補修方法についてご紹介いたします。

  • ひび割れの補修方法

ひびわれの補修方法について、効果的な3つをご紹介いたします。

・フィラー擦り込み工法

ヘアークラックなど規模に小さなひび割れには、穴や隙間などを埋める下地補修材「フィラー」を擦りこむ方法が効果的です。

ひび割れに対し、刷毛などを使用して「フィラー」を擦りこむだけで、ひび割れを塞ぎ平滑な状態をつくれます。

・エポキシ樹脂注入工法

幅がおよそ0.3~1mm程度のひび割れに対して行う補修方法です。

専用の注入器具をひび割れ部に適切な間隔で設置し、圧力を加えながら時間を掛けて「エポキシ樹脂」を注入します。

ひび割れの奥深くまで完全に注入できる方法であり、防水性や耐久性を高めてコンクリートを一体化します。

この「エポキシ樹脂注入工法」は、ひび割れの補修工法として最も普及している点からも、確実性と信頼性が優れているといえるでしょう。

・Uカットシーリング充填工法

幅がおよそ1mm程度以上の、比較的大きなひび割れに対して行う補修方法です。

ひび割れ周辺をU型に削って溝をつくり、プライマーを塗布してシーリング材やエポキシ樹脂などの補修材を充填します。

そして塗装仕上げの場合などは、フィラーで下地調整を行うと効果的です。

  • 爆裂の補修方法

爆裂の補修は、適切に行わないと再発の恐れがあるため注意が必要です。

爆裂補修の手順について、ポイントを絞って解説いたします。

  1. コンクリートの脆弱部分を除去
  2. 鉄筋の錆び落としと防錆処理
  3. 樹脂モルタルの充填

①コンクリートの脆弱部分を除去

まずは、爆裂によって内側から押し出されもろくなったコンクリート部分をすべて除去することが必要です。

コンクリートの脆弱部分は、あらかじめハンマー打診などで調査して特定しておきます。

脆弱部分を残したまま補修すると、ひび割れが起こりやすい状況が生まれ、そこから再び水分や空気が入り込むと鉄筋が錆びてしまうことになります。

コンクリートの脆弱部分は確実に除去することが重要なポイントです。

②鉄筋の錆び落としと防錆処理

コンクリートの脆弱部分を除去し鉄筋を露出させたら、錆びをすべて落とし錆び止め塗料などで防錆処理を行います。

このときの注意点として、錆びが残らないよう確実に落とすことです。

錆びが残ったまま補修すると再発の原因になってしまうかもしれません。

鉄筋の錆びは確実に除去することが重要なポイントです。

③樹脂モルタルの充填

コンクリートを除去した部分には、プライマーを塗布して樹脂モルタルを充填します。

そして塗装仕上げの場合などは、フィラーで下地調整を行うと効果的です。

  • 欠損の補修方法

欠損補修の手順について、ポイントを絞って解説いたします。

  1. コンクリートの脆弱部分を除去
  2. 樹脂モルタルの充填

①コンクリートの脆弱部分を除去

欠損部分やその周辺をハンマー打診などで脆弱部分を特定し、すべて除去します。

脆弱部分が残っていると、ひび割れが起こりやすい状況が生まれ、コンクリートの中性化から劣化が早まることになりかねません。

欠損補修の場合も、コンクリートの脆弱部分を確実に除去することが重要なポイントになります。

②樹脂モルタルの充填

コンクリートを除去した部分には、プライマーを塗布して樹脂モルタルを充填します。

そして塗装仕上げの場合などは、フィラーで下地調整を行うと効果的です。

<まとめ>

コンクリートの劣化を放置することは、耐久性の低下を招き建物寿命を縮めてしまう大きな原因になります。

定期的な点検と状況に応じた補修をすることで、長寿命化を図り、そして資産価値の維持にもつながるでしょう。

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