白華現象・エフロとは?発生原因・予防方法について徹底解説

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コンクリートやモルタルには「白華」や「エフロ」と呼ばれる白い結晶が表面に析出する現象が起こります。この現象はコンクリートの成分が由来の現象です。このため、セメント製品には程度の差はありますが、必ず白華現象が起こります。エフロが発生していても建物を傷めたり、老朽化の兆候というわけではありません。しかしながら、この白華現象は美観に影響を与えるため、抑制したり洗浄を検討される方が多いです。

今回は、これらエフロの発生原因や予防方法について解説します。

エフロとは何か?

エフロ(白華現象)は、コンクリート中の可溶成分が表面に移動し、乾燥することでコンクリート表面に濃縮される現象です。この過程で、水酸化カルシウムなどの可溶成分が空気中の炭酸ガスと結合し、炭酸カルシウムとしてコンクリート表面に沈着します。炭酸カルシウムは水酸化カルシウムと異なり水に不溶なため、水洗いしても落ちません。エフロは見た目に白い花が咲いているように見えることから「白華」や「白華現象」とも呼ばれます。

エフロの発生原因

エフロは一次白華と二次白華に大別されます。一次白華は、コンクリートの練混ぜ水によって発生し、二次白華は雨水や積雪後の雪解け水など外部からコンクリートに浸透した水によって発生します。エフロの形態は様々で、塊状、繊維状の結晶が成長して綿状になったもの、粉を吹いたように付着したもの、色ムラとなって生じるものなどがあります。エフロはコンクリートの美観を損ねるが、品質には影響しないとされています。エフロは低温・多湿の環境や適度な風がある場合に発生しやすく、日陰面で発生しやすい傾向があります。このため、夏場より冬場のほうがエフロの発生リスクが高まります。

エフロ対策と予防方法

一次白華の対策と予防

一次白華は、コンクリートの硬化過程中に発生し、練混ぜ水やその他の水分が原因で生じます。このタイプのエフロ対策としては以下が挙げられます:

水セメント比の最適化

水セメント比を適切に管理することで、過剰な水分がコンクリート内部に残るのを防ぎます。これにより、エフロを引き起こす水酸化カルシウムなどの溶解と表面への移動が減少します。

養生の強化

コンクリートの養生条件を改善することで、硬化過程中の均一な乾燥を促進し、エフロのリスクを減らします。

添加剤の使用

ポゾラン材料などの添加剤を使用して、コンクリート内部の化学反応を制御し、水酸化カルシウムの生成を抑制します。

一次白華の抑制材として下記のような製品があります。

商品紹介

エフロストップ
エフロストップはコンクリート・モルタル内のセメントや砂等の分散性を向上させ、表面の浮き水を抑制することにより、浮き水中にセメント内のカルシウムイオンが溶け出すことを低減させます。それと同時にエフロストップの主要成分が、セメント内のカルシウムイオンをキャッチし、空気中の二酸化炭素との結合を予防します。これらのメカニズムにより白華を抑制します。

二次白華の対策と予防

二次白華は、建築物の使用後に外部からの水(雨水、地下水など)が原因で発生します。これに対する対策は以下の通りです:

防水および排水システムの最適化

外部からの水分の侵入を防ぐために、防水処理と効果的な排水システムを設計し、維持することが重要です。

外部環境の管理

建築物の周囲の土壌や植生を管理し、水分が建物の基礎や壁に直接触れるのを防ぎます。

定期的なメンテナンス

定期的な点検とメンテナンスを通じて、建築物の防水性能を維持し、早期に問題を発見して対処することで、エフロのリスクを最小限に抑えます。

エフロが発生した場合

前述のようにエフロ対策を徹底したとしても、エフロを完全に予防することは困難です。エフロが発生してしまった場合は専用の白華除去剤を使用して簡単に除去することができます。

商品紹介

スーパーエフロクリーン
スーパーエフロクリーンは、数種の成分を組み合わせることにより、この変化したエフロ(白華)を溶解除去する強力白華除去剤です。 コンクリート、タイル、インターロッキング等のエフロ(白華)除去に最適です。作業も塗布と水洗いだけなので簡単にエフロを除去できます。

タイルやコンクリートのエフロ(白華)をキレイに除去。スーパーエフロクリーン

【施工動画】

まとめ

いかがでしたでしょうか?エフロは1次白華と2次白華で発生原因が異なるため、それぞれに適した方法で対策を行うことが必要になります。エフロを完全に防止することは困難ですが、発生したエフロは「スーパーエフロクリーン」などの白華除去剤で簡単に除去することができます。皆さんもエフロに対して効果的に対応し、建物の美観を保っていきましょう。

参考文献
P. Kresse, “Studies of the phenomenon of efflorescence on concrete and asbestos cement,” Betonwerk+Fertigteil-Technik, vol. 49, pp. 560-568, 1983
P. Kresse “Efflorescence and its prevention,”
Betonwerk+Fertigteil-Technik, vol. 57, pp. 84-88, 1991.
P. Kresse “Efflorescence-Mechanism of Occurrence and Possibilities of Prevention,” Betonwerk+Fertigteil-Technik, vol. 53, pp. 160-168, 1987
斎藤鶴義:エフロレッセンスを防ぐには セメント製品の白華とその防止法
建築技術1969年1月号
小俣一夫:エフロレッセンス発生のメカニズムと対策
月刊建築仕上技術 1994年8月号

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