安くて高性能!石膏ボードの特徴と役割について

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石膏ボードは、住宅の壁や天井、床の下地材として使われている建材です。安価で高性能なことから、多くの住宅に使用されています。

そんな石膏ボードにはどんな特徴があり、住宅を守るためにどんな役割を担っているのかご存知ですか?今回は石膏ボードの基礎知識をはじめ、メリットやデメリットについて説明します。

石膏ボードとは?特徴やプラスターボードとの違い

石膏ボード

ここでは、石膏ボードにどんな特徴があるのか。また、プラスターボードとの違いについて説明していきます。

住宅の壁や天井に使われる石膏でできた板

石膏ボードは、その名の通り「石膏」でできた板のことです。石膏を固めて板状に成形し、表面を紙で包んでいます。

建築現場では加工済みのものを見るのでイメージが湧きにくいかもしれませんが、ボードを切断すると断面には白い石膏が現れます。

住宅の壁を仕上げる際には、石膏ボード同士の隙間をパテ塗りして埋めたあとに、壁紙を貼っていく流れです。

プラスターボード=石膏ボード

石膏ボードと並んで、建築現場でよく聞く建材が「プラスターボード」だと思います。混乱しがちですが、「プラスターボード=石膏ボード」です。

石膏は英語で「plaster:プラスター」。呼び方が日本語か英語かの違いで、どちらも同じものを指しています。

豆知識!家に使われいるボードが何か調べる方法

ここで、豆知識を1つ紹介します。画鋲を使って、家の壁に使われている建材を調べる方法です。

壁に画鋲を刺し、抜いたときに画鋲に白い粉がついていたら「石膏ボード」が使われています。画鋲を刺そうとしてもなかなか刺さらず、一度刺してしまったら抜けないときには、使われているのは合板などの「木製ボード」です。

石膏ボードのメリット

石膏ボード

現在多くの住宅に使用されている「石膏ボード」には、どんなメリットがあるのでしょうか。ここでは石膏ボードの4つのメリットを紹介します。

合板よりも安価

石膏ボードが普及した理由。それは、とても安価なことです。石膏ボードは合板の「3分の1」程度の費用に抑えることができます。

「安かろう悪かろう」ではないかと心配になるかもしれませんが、安心してください。石膏ボードは原価自体が低く、工場で大量生産できることから安い価格で提供できるのです。

対して、合板はとても手間がかかります。木を削り、それを張り合わせ、最後に研磨までしなくてはなりません。価格に差が出ることも納得ですよね。

火災時に延焼を防止する

石膏ボードには、火災時に延焼を防止する効果があります。

石膏には結晶水が20%ほど含まれており、その水分量はボード1枚あたり「3kg」です。火災時には、この結晶水が熱分解して水蒸気になります。

空気中に放出された水蒸気が火災の温度上昇を防ぎ、延焼を防止するのです。また、石膏自体にも伝熱を防止するバリア的な性質があるため、「防火材料」としても認められています。

遮音効果がある

住宅にはかかせない遮音性。遮音性に優れていることも、石膏ボードのメリットです。石膏ボードにも音を通しにくい性質があるのですが、施工時に壁の内側に空間を設けるため、より音が伝わりくくなります。

1枚張りでも遮音効果は期待できますが、防音効果を高めたいときには重ね張りや防音性能が高い石膏ボードを用いります。

加工がしやすい

石膏ボードは加工性にも優れています。ノコギリやカッターなどの刃物を使えば、現場でも簡単にカットすることができます。現場で少しの誤差が出たときなど、イレギュラーにも対応できることはメリットと言えるでしょう。

石膏ボードのデメリット

石膏ボード

安価で高性能な石膏ボードにも、残念ながらいくつかデメリットがあります。ここでは、石膏ボードのデメリットを2つ確認していきましょう。

一点の衝撃に弱い

石膏ボードのデメリットは、「点」の衝撃に弱いことです。「面」の衝撃には強いので、地震や風などの「揺れ」には耐えられますが、「点」の衝撃には耐えられません。

たとえば、拳で壁を殴るとします。石膏ボードの場合、簡単に穴が空いてしまいます。壁に物が当たったとき、鋭い部分が壁にぶつかると穴が空いてしまうのもこの理由からです。

耐水性能はない

防火性には優れている石膏ボードですが、「耐水性」は備わっていないことがデメリットです。水に弱いので、キッチンや浴室などの水回りに施工することはできません。

防水性を高めた「シージング石膏ボード」という製品もありますが、一時的な濡れにしか耐えられないため、湿度が高い場所や結露しやすい場所には使用できません。

そのため、浴室などの水回りには「木材」でできているシージングボードを用いることが一般的。シージングボードは、木材を合成樹脂や接着剤と混ぜ合わせて作るインシュレーションボードに「アスファルト加工」を施した建材です。

まとめ

今回は石膏ボードについて、詳しくお伝えしてきました。石膏ボードは防火素材で遮音性も兼ね備えていながら、費用も抑えられることが普及の理由だとわかりました。

「点」の衝撃に弱いことや、防水性に欠けていることは注意しておきたいポイントです。けれど、普及率も高い建材なので、次々に特化性能を備えた商品も開発されています。

これからの発展にも期待できそうですね。

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