天然樹脂と合成樹脂の違いとは?それぞれの特徴から考える

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天然樹脂と合成樹脂の違いをご存知ですか?

天然樹脂は樹木の樹液からとれる天然素材もので、合成樹脂は「高分子体」といって、人工的に作られたものです。

では、それぞれにどのような特徴やメリットがあるのでしょうか。

今回は、天然樹脂と合成樹脂の特徴や違い、メリットについて解説していきます。

天然樹脂と合成樹脂の違いとは?

天然樹脂と合成樹脂、どちらも「樹脂」と呼ばれていますが、具体的にどんな違いがあるのでしょうか?

まずは天然樹脂と合成樹脂、それぞれの特徴について解説していきます。

 天然樹脂とは?

天然樹脂を簡単に言うと、マツやモミなどの樹木の樹液から得られる「樹脂成分」のことです。

なにか特定の樹木を指しているのではなく、すべての樹木からとれる樹脂成分のことを総じて「天然樹脂」と呼びます。

天然樹脂の種類

天然樹脂のなかでも大きくわけて「植物由来・動物由来・鉱物由来」の3つの種類があり、植物由来の天然樹脂で代表的なものが、以下の5つです。

  • バルサム
  • 松脂(まつやに)
  • 漆(うるし)
  • 天然ゴム
  • 琥珀(こはく)

「バルサム」は樹脂が揮発性油脂に溶解したときの粘度の高い液体のことで、「松脂(まつやに)」はマツ科の樹液からとれる樹脂成分を総じて松脂と呼びます。

また、「漆(うるし)」はウルシ科からとれる樹脂で、塗料や接着剤として使用されており、触るとかぶれや痒みなどの皮膚症状が出ることが特徴です。

天然ゴムは、ゴムの樹木からとられた樹液を元に作られています。

琥珀(こはく)は樹脂が化石化したもので、宝石としても有名です。

また、漢方や香料として使用されることもあります。

合成樹脂とは?

合成樹脂は人工的に作られた「高分子体」のことで、樹木からとれる「天然樹脂」に対比して「合成樹脂」と呼ばれています。

合成樹脂は石油化学工業の発展とともに、天然樹脂の代替品として私たちの生活に多く取り入れられています。

たとえば、プラスチックやタイヤなども合成樹脂からできているのです。

合成樹脂の種類

合成樹脂は「熱可塑性樹脂」と「熱硬化性樹脂」に分かれ、熱可塑性樹脂の特徴は一度熱して液体化しても、冷やすと再度固体化することです。

対して熱硬化性樹脂は加熱して一度固体化すると、温度変化によって形状変化しにくくなってしまいます。

「熱可塑性樹脂」で代表的なものが以下の4つです。

  • ポリエチレン
  • ポリプロピレン
  • ポリ塩化ビニル
  • ポリスチレン

これらの合成樹脂は温度によって形状変化するので、この性質を活かしてリサイクルすることができます。

「熱硬化性樹脂」で代表的ものが以下の3つです。

  • フェノール樹脂
  • メラミン樹脂
  • エポキシ樹脂

「熱硬化性樹脂」は一度固体化されると温度変化によって液体化することはないので、強度と耐久性に優れています。

ただし、硬いがゆえに、熱可塑性樹脂に比べると「耐衝撃性」が劣ってしまいます。

天然樹脂と合成樹脂の違いとは?メリットについて

天然樹脂と合成樹脂の違いについてわかりました。

では、それぞれにどのようなメリットがあるかを解説していきます。

天然樹脂のいいところ

天然樹脂は先ほども書いた通り、樹木からとれる100%天然素材です。

そのため、古代から塗料やニス、防水材料として使われてきました。

現在でも、野球の投手が使う滑り止めのロジンバッグや伝統工芸品の塗料としても使われています。

漆(うるし)を塗った道具は漆器と呼ばれ、日本の代表的な工芸品です。

その美しさは、天然樹脂である漆でしか表現できません。

しかし時代とともに森林の伐採も進み、天然樹脂がとれる量が極端に減ったことから、とても貴重な材料として高価なものになってしまいました。

また、天然樹脂は合成樹脂に比べて取り扱いにも手間がかかることから、現代では安価で手間のかからない合成樹脂が代替品として普及しているのです。

合成樹脂のメリットについて

合成樹脂のメリットは、やはり安価で取り扱いしやすことです。

ほかにも以下のようなメリットが挙げられます。

  • 軽量で柔らかい
  • 自由度が高い
  • 電気と熱の絶縁性がいい
  • 水に強い

合成樹脂からできたプラスチックは軽量で柔らかく、自由が高いことがメリットです。

また「熱可塑性樹脂」であれば、一度固体化しても熱すると液体状になるので、何度もサイクルできることもメリットと言えるでしょう。

ただし、温度によって軟化や変形しやすいなど、熱に弱いことはデメリットです。

合成樹脂は熱を与えるとすぐに変形してしまいます。

また、合成樹脂は熱や電気を通しにくい「絶縁性」を持っています。

とくに、フェノール樹脂は高い絶縁性を持っているので、電気絶縁性が求められる環境ではフェノール樹脂が使われることが多いです。

しかし絶縁性があるがゆえに、帯電しやすいというデメリットも。

合成樹脂はそれぞれの樹脂のもつ特徴によって、用いられる環境が異なります。

まとめ

今回は天然樹脂と合成樹脂の違いについて紹介しました。

天然樹脂が貴重な素材になり、石油化学工業が進歩したことから、天然樹脂の代替品として合成樹脂が使用されるようになりました。

現代では、家具や伝統工芸品などの天然樹脂でしか表現できないものは、天然樹脂を。

合成樹脂で代替できるものは合成樹脂を使うなど、うまく使い分けをされていることがわかりました。

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