沿岸部の建物の劣化が早い原因とコンクリートかぶり厚さについて紹介

[著]
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日本は地震が多いこともあり、国内の高層建物のほとんどが強い地震にも耐えられる鉄筋コンクリート造や鉄筋鉄骨コンクリート造です。

コンクリートは耐用年数が長く、耐久性にも優れていることが特徴。

しかし、築20年を超える建物の見過ごせない劣化が目立っています。

今回は、コンクリート造が劣化する原因について考えてみましょう。

築20年を超えるコンクリート造建築物の損傷状況

 海岸近くに建てられている築年数20年を超える宿泊施設のコンクリート表面から錆汁がにじみ出て、コンクリートの一部が剥落したり欠損したりする現象が起こっています。

剥落が起こると、通行人に危害を加えてしまう危険性があるので早急な対応が必要です。

また、宿泊施設は建物の外観も集客に影響するため、錆汁がついていたり、コンクリートが欠損している状態はマイナスイメージになってしまいます。

経年劣化しにくいと言われているコンクリートがなぜ、欠損してしまったのでしょうか。

コンクリートから錆汁がにじみ出てしまった原因

沿岸部の建物のコンクリートから錆汁がにじみ出してしまう原因には、以下の3つの要因が考えられます。

  • コンクリートの中性化
  • 塩害による鉄筋の腐食
  • 金具の錆

では、それぞれ詳しくみていきましょう。

コンクリートの中性化による鉄筋の腐食

コンクリートは経年劣化によって中性化します。

コンクリート表面と鉄筋に十分なかぶり厚さがない場合、中性化によって鉄筋の部分にまで酸素と水が入り込み、鉄筋が錆びてしまうのです。

かぶり厚さ不足による鉄筋の腐食については、こちらの記事をご覧ください。

鉄筋腐食によるコンクリート仕上げ剥落メカニズムと対策方法

塩害によって鉄筋が腐食してしまった

築20年と、築年数が比較的浅い沿岸部に建てられた建物が剥落してしまうときには「塩害」が考えられます。

塩害も今クリート内で起こる鉄筋の劣化現象の一種です。

潮風によって鉄筋表面の不動態被膜(腐食から鉄筋を守る膜)が破壊されると、コンクリート内の鉄筋が腐食してしまいます。

その結果、鉄筋が膨張してコンクリートがヒビ割れし、中から錆汁がにじみ出てしまったのです。

建物についている金具が錆びたから

建物の表面には、窓やパラペットなどのさまざまな金具が固定されています。

この金具が雨水や潮風にあたることによって錆てしまい、錆汁がコンクリートに付着してしまうのです。

金具から出た錆はコンクリートの強度に直接関わることはありませんが、景観や建物の信頼度を損ねてしまいます。

まとめ

潮風の影響を受けやすい沿岸部の建物は、金具の錆や鉄筋の腐食によって経年劣化が早い傾向にあります。

とくにコンクリートと鉄筋に十分なかぶり厚さがない場合は、鉄筋が雨や潮風の影響を受けやすくなり、腐食が進んでしまいます。

劣化を防ぐためには十分なかぶり厚さを確保し、防錆処理や複層仕上塗材を使って補修を行うことが効果的です。

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