黒色は高級感があり、様々な商品でラインナップされています。
一般的に白~灰色のイメージがあるモルタルにも、墨を混ぜることで色を黒くした墨モルタルと呼ばれるものがあります。
この記事では、墨モルタルの特長や、採用する際の注意点をご紹介します。
墨モルタルとは
墨モルタルとは、その名の通りモルタルに墨を混ぜた黒いモルタルのことです。
天然素材である墨をモルタルに混ぜることで深みのある黒色が生まれます。主に店舗や住宅の床、壁、外構の仕上げ材として使われます。
墨モルタルの特徴
墨モルタルは混ぜる墨の量で灰~黒色の仕上りになります。
施工中は真っ黒なのですが、乾くとモルタル特有の色味とムラが出てきて味わいがある雰囲気を演出する素材です。
カラーモルタルとの違い
カラーモルタルも墨の代わりに色を付ける顔料を混ぜたものです。
墨モルタルも顔料が墨であるカラーモルタルの一種と言えるでしょう。
墨モルタルを使うメリットとデメリット
墨モルタルには味わいのある風合いになるという点が魅力的ですが、使用する際には注意すべき点がいくつかあります。
墨モルタルのメリット
通常のモルタルと比較した墨モルタルのメリットは、「黒く高級感のあるデザイン」これに尽きるといえます。
通常の塗料で黒く塗っても、モルタルの雰囲気が無くなってしまうので同じような仕上がりにならず、独特な見た目になります。
墨モルタルのデメリット
墨モルタルは仕上りが安定しない等のデメリットがあります。次に挙げる点が気になるようでしたらオススメできないかもしれません。
仕上りの品質が安定しない
墨モルタルのデメリットは、実際に乾くまで、どのくらいの黒さの仕上がりになるか分からない点です。
乾いて初めて仕上りがわかるので、イメージしていた黒さと違いガッカリしてしまう場合があります。
ムラが発生する
墨モルタルは施工業者の技術に関わらず、床全体を均一な色合いにすることは難しく、色に濃淡やムラができてしまうことがあります。
仕上りが一定でなくムラがあるのも墨モルタルひいてはセメント系製品の味なのですが、それゆえに色の細かい調整が出来ません。ムラや濃淡が気になる方は避けた方が良いかもしれません。
触ると汚れる可能性がある
触ると触れた箇所に墨が移って黒くなることもあります。
墨モルタルは土足で入る場所に使用することがメインですが、内部や壁など使用する場所には注意が必要です。
白華(エフロ)の影響
モルタルを含むセメント系製品は白華現象というものが発生します。これは表面に白い結晶物が出来て仕上りが全体的に白く見えたりする現象です。この現象を操作することは難しく、セメント系製品である以上、程度の違いはあっても必ず発生し、完全に防ぐことは難しいといわれています。先に述べたムラの発生原因にもなります。
墨モルタルの場合は、黒いモルタルの上に白い結晶物ができるため、通常のモルタルより白華が目立ちやすいかもしれません。
画像は施工後硬化前の塗りたてと2週間養生後。施工後の環境含めた様々な要素で白華の程度は異なり、画像よりも色の変化が激しくなる場合もある。
墨モルタルの代用にコンクリートステイン塗料もおすすめ
墨モルタルの黒い独特の風合いが出せるメリットに対して、デメリットが多いと感じる方もいると思います。しかし、そのデメリットを踏まえても、黒いモルタルのデザイン性や意匠性は魅力であるともいえます。
墨モルタルのような黒いモルタルをデザインに導入したいと考えているなら、コンクリートステイン塗料でモルタルを黒くすることも検討してみてはいかがでしょうか。
コンクリートステイン塗料
コンクリートステイン塗料はコンクリート・モルタルの風合いをそのままに着色する方法です。コンクリート・モルタルの上に塗装をするため、墨モルタルに比べ白華の影響を受けずらく、濃淡の調整も比較的しやすいです。欠点としてはコンクリート・モルタル自体を染色しているわけではないので、摩耗などにより塗膜が削れたら着色していない素地が見えてしまう点です。
コンクリートステイン塗料は墨モルタルと比べると耐久性が低いなど欠点もありますが、総合的に扱いやすいのが魅力です。
コンクリートステイン塗料について解説した記事がありますので、是非こちらもご確認ください。
水性コンクリートステイン塗料「ルーセントカラー」
ルーセントカラーは、コンクリートやモルタルの床の風合いを活かし、カラークリアで着色できる水性コンクリートステイン塗料です。
コンクリートやモルタル面のポリッシャーで削り、プライマーとトップコートを塗ることで、コンクリートとモルタルの質感を保持したまま着色することが可能です。
ルーセントカラーはメンテナンスに優れています。塗膜が汚れの付着を阻害し、拭き掃除などで汚れが落ちやすくなります。
また、液体などをこぼした際にシミになることを予防します。
カラーラインナップが複数あるので、黒以外をご検討の場合にもおすすめです。
まとめ
墨モルタルはある種カラーモルタルの一種といえます。モルタルのため、環境により灰~黒色の仕上りになり、濃淡やムラの調整は非常に難しいです。
一方でこの濃淡の調整が難しいことやムラが自然な質感であり、味であるともいえます。
しかし、墨モルタルこれらの仕上りや白華の影響など事前に理解や注意しておく必要がある素材です。墨モルタルのデメリットが気になっている方は水性コンクリートステイン塗料を検討してみるのも手かもしれません。墨モルタルそのものとは違いますが、かなり近い仕上りを期待することができます。
コンクリートステイン塗料である「ルーセントカラー」はサンプルの提出も行っています。ご興味のある方はホームページより、サンプルの御依頼を承っていますので、是非ご検討ください。