樹脂モルタルとは何か?普通モルタルやコンクリートとの違いとは?(再編集)

[著]
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大規模修繕工事などコンクリート補修をするときによく使われるものといえば『樹脂モルタル』です。しかし、樹脂モルタルとはどのようなものなのか、また普通モルタルやコンクリートとどのような違いがあるのかよくわからないという人も多いのではないでしょうか。そこで今回の記事では、樹脂モルタルについて、その特長と普通モルタルやコンクリートとの違いなどを徹底解説します。

※この記事は2020年11月30日のものを一部編集した記事です。

樹脂モルタルとは

樹脂モルタルとは、いくつかあるモルタルの種類のひとつです。では、そもそもモルタルとは何でしょうか?またモルタルとよく混同して扱われるものにコンクリートがあります。まずはモルタルとコンクリートはどう違うのか、そして更にモルタルとはどのような種類があるのかなど深掘りします。

モルタルとコンクリートの違い

まずはモルタルとコンクリートの違いについて簡単に解説します。

モルタル


モルタルとは、セメントに砂と水を混ぜ合わせたものです。外壁の仕上げやブロックの接着、そしてコンクリートの補修などの用途に使われます。セメント:砂=1:2やセメント:砂=1:3の配合が一般的です。
ちなみにセメントに水だけ加えたものはセメントペーストといいます。

コンクリート


コンクリートとは、セメントに砂と砂利、水を混ぜたもので、つまりモルタルに砂利を加えたものがコンクリートです。優れた耐久性が期待できることから、ビルやマンションの構造部や住宅基礎などの用途に使われます。

モルタルの種類について

モルタルと呼ばれる建材には、いくつかの種類があります。代表的な種類とは以下の通りです。

◆セメントモルタル
◆樹脂モルタル(・ポリマーセメントモルタル ・レジンモルタル)

セメントモルタル

セメントモルタルとは、先述した通りセメントに砂と水を混ぜ合わせた、いわゆる一般的なモルタルのことを指します。モルタルの種類のなかで最も普及しているものですが、経年とともにひび割れが起こりやすい特長があります。

樹脂モルタル

樹脂モルタルとは、砂や骨材にその結合材として合成樹脂を混入したものの総称であります。
樹脂モルタルは、①硬化速度の調節が出来る。②高強度であり、特に曲げ、引張り強度が大きい。③防水、凍結融解に対する性能が良い。④古いコンクリートなどへの接着が良い。⑤耐摩耗性、耐衝撃性、耐薬品性が良い。が挙げられます。
樹脂モルタルを細分化するとポリマーセメントモルタルとレジンモルタルに大別されます。

ポリマーセメントモルタル

ポリマーセメントモルタルとは、セメントモルタルにポリマー(セメント混和用ポリマー)を配合したものです。セメントに対して5~20%程度のポリマーが配合されており、下地に対する接着力や曲げ強度を高めモルタルの弱点でもあるひび割れを抑えることを可能にしています。
またその他にも中性化の抑制や防錆などの効果も期待できる高機能なモルタルです。弊社の『カチオンタイトシリーズ』もこの類ですが、普通モルタルでは接着しづらい広範囲の材料に接着して、新規の仕上げ材の下地となり得る製品です。

レジンモルタル

結合材の役割として、セメントの代わりに合成樹脂と砂を混ぜたものがレジンモルタルです。
その中でも代表的なものが、軽量骨材とエポキシ樹脂を配合したエポキシ樹脂モルタル、通称エポモルです。
材料が軽量であることから垂直面や天井面への厚塗り施工ができることが特徴で、おもに防水や止水、断面修復などの用途で使われます。
また既存のコンクリートにセメントモルタルを塗った場合、水分がコンクリートに吸収され正常な凝結硬化ができず強度が不足する『ドライアウト』が起こることがあります。
しかしエポキシ樹脂系モルタルを使えば、ドライアウトを起こさずに補修することも可能です。

まとめ

樹脂モルタルは、大規模修繕の外壁タイルや屋上防水の下地補修、そしてその他コンクリートの爆裂や欠損補修などで幅広く使われています。
また樹脂モルタルにはいくつかの種類があり、補修箇所の状況や用途などから適したものを選ぶとより高い効果が得られます。
改修工事は、建物を長期的に守るうえで重要な要素です。適性から判断し、シーンに合った材料をぜひ探してみてください。

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