左官職人としてキャリアアップを目指したいとき、取得しておきたいのが「左官技能士」の資格です。資格を取得しておけば、施主からの信頼度が高くなったり現場の責任者に抜擢されたりするなど、多くのメリットがあります。
今回は、左官職人なら取っておきたい資格「左官技能士」の資格の取り方を解説します。
左官職人としてキャリアアップを目指している方、ぜひ参考にしてみてください。
左官職人なら取得しておきたい左官技能士の資格とは?
左官技能士は国家資格のなかの「技能検定制度」の一種です。
都道府県職業能力開発協会が試験を実施しています。左官技能士は国家資格なので業界内では認知度も高く、仕事をしながら取得を目指す職人さんも多く見られます。
では、左官技能士を取得しているとどんなメリットがあるのでしょうか。
自分の実力を資格で証明できる
左官職人になるために特別な資格は必要ありません。しかし左官技能士の資格を取得しておけば、左官職人としての知識と技術の証明になります。周りからの信頼も得られ、何よりも自分の自信に繋がるでしょう。
また、左官技能士は人手不足の建築業界でも大変重宝されます。
収入アップも見込めます!
キャリアアップが目指せる
左官技能士には「特級・1級・2級・3級」の4つの等級があり、「特級・1級・2級」は実務経験が必要です。よって、「特級・1級・2級」のいずれかの資格を取得していれば、左官職人としての実務経験を積んでいる証にもなります。
責任のある役職に就きたい方や、いずれは自分で独立したいと思っている方にとっては大きなメリットといえるでしょう。
左官技能士の資格の取り方
左官職人にとってメリットの多い左官技能士ですが、どのように資格取得をするのでしょうか。ここでは、左官技能士の資格の取得方法を解説します。
初心者は3級から受ける
左官技能士には「特級・1級・2級・3級」の4段階の等級区分があります。3級は実務経験がなくても受験可能です。これから左官職人を目指したい方や実務経験が2年以内の方は3級から受験してください。
2級以上には実務経験が必要
「特級・1級・2級」を受験するためには実務経験が必要です。
・特級:1級合格後に5年以上の実務経験
・7年以上
・2年以上
2級でも2年以上、1級と特級になると7年以上の経験が必要になるので、受験するためのハードルも高く設定されています。
おおまかな試験内容と合格基準、受験料
試験内容はすべての等級で「学科・実技」の試験が行われ、実技試験の課題内容は事前に公開されます。試験時間は4~5時間程度。
合格基準は100点満点として「実技試験が60点以上、学科試験は65点以上」で、実技試験と学科試験の両方に合格しなければなりません。
3級・2級の合格率は約90%と高いのですが、特級・1級になると約30%と格段に上がります。
特級・1級は、3級・2級に比べて難易度が高くなっていることがわかります。
気になる受験料は「実技試験17,900円、学科試験3,100円」です。安価だとはいえない金額なので、できれば一回の受験で合格しておきたいものです。
35歳以下の方が受験する場合には減額制度もあるので、お住まいの都道府県の職業能力開発協会のサイトを確認してみてください。
都道府県職業能力開発協会
https://www.javada.or.jp/kyoukai/itiran.html
左官技能士の資格取得のための勉強方法
左官技能士を取得するためには、どのような勉強方法をしたらいいのか気になります。ここでは左官技能士資格試験の勉強方法を紹介します。
合格率は比較的高いので独学でも合格できる
前述の通り、3級・2級の難易度は低く、合格率も高めです。書店で販売されているテキストを使った勉強でも十分合格は望めるでしょう。テキストの値段も「1,500円~3,000円前後」なので、費用もあまりかかりません。
実技試験の勉強方法は、実際に実技をしている場面を見て学びます。おすすめなのは説明をしながら実技を解説している専用のDVDです。「DVDまで買うのは…」と思う方はYouTubeで実技試験の見本を配信している左官業者のチャンネルもあるので、そちらもチェックしてみてください。
心配な人は講習会に参加する
「独学で大丈夫?」と心配な方は、都道府県で開催されている左官技能士の受験講習会に参加してみてください。丸1日かけて講習する講座が多いのですが、受験対策がしっかりできるので時間を割く価値はあります。
講習会が開催される場所や定員は都道府県によって異なるので、早めに調べておきましょう。
左官技能士の資格を取得してスキルアップを目指す!
左官技能士は左官に関しての知識があることを示す、左官職人にとってメリットの多い資格です。左官技能士を受験するには特級によって実務経験も必要なので、資格を保持しているだけで経験があることがわかり、信頼感も得られます。
「現場の責任者になりたい、後々は独立したい」とキャリアアップを考えている方は、取得しておいて損はありません。
また、3級・2級は独学でも十分合格を望めるので、まずはテキストを購入して読んでみましょう!テキストだけでは心配な方は、地域で開かれている講習会に参加してみてください。
左官技能士の資格を取得し左官職人としてキャリアアップ!。そして左官業界を盛り上げていってくださいね。