森ビルが中心となって進められている、東京・港区内における大型再開発プロジェクト「麻布台ヒルズ」が2023年11月にオープンしました。今年3月には「麻布台ヒルズマーケット」がオープンし、注目を浴びました。その麻布台ヒルズの外壁には「洗い出し仕上げ」が施されており、業界ではその仕上がりの美しさが話題となっています。今回は麻布台ヒルズの現場と洗い出しの魅力をお伝えしていきます。
麻布台ヒルズ概要
計画名称 | 虎ノ門・麻布台地区第一種市街地再開発事業 |
所在地 | 東京都港区虎ノ門5丁目、麻布台1丁目および六本木3丁目の各地内 |
開発区域面積 | 約8.1ha |
敷地面積 | 約63,900m²
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建築面積 | 約37,100m² |
延床面積 | 約861,700m²
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オフィス面積 | 約214,500m² |
緑化面積 | 約24,000m² |
住宅戸数 | 約1400戸 |
店舗面積 | 約23,000m² |
用途 | 事務所、住宅、店舗、ホテル、文化施設、インターナショナルスクール、診療所 他 |
階数 |
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高さ |
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着工 | 2019年8月 |
竣工 |
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構造 | S造(一部SRC造) 他 |
設計 | 森ビル(株) |
施工 | 清水建設(株)、三井住友建設(株)、(株)大林組 他 |
施行 | 施行者:虎ノ門・麻布台地区市街地再開発組合、特定建築者:森ビル(株) |
参照:https://www.mori.co.jp/projects/toranomon_azabudai/
洗い出し仕上げの美しさが際立つ低層部のデザイン
麻布台ヒルズは、その先進的な建築技術とデザインで注目されていますが、中でもトーマス・ヘザウィック氏がデザインを手がけた低層部の曲線的でユニークな建築とランドスケープは圧巻です。
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「麻布台ヒルズ」は、約18mの高低差がある地形を生かして、低層部の屋上を含む敷地全体を緑化し、これにより、都心の既成市街地でありながら、約24,000m²もの緑地を確保しています。ヘザウィック・スタジオのデザインによる低層部のダイナミックな建築物と緑が美しく調和し、街全体が緑に包まれた豊かな環境となっています。
この低層部は全面に「洗い出し仕上げ」が使用されています。まさに麻布台ヒルズの顔として、天然石の豊かな色彩と質感が、建築物全体の外観を一層引き立て、緑との調和を演出しています。
洗い出し仕上げとは?
洗い出し仕上げとは、伝統的な左官仕上げの方法のひとつです。モルタルに砂利や玉石などを入れて塗り、固まる前に表面を洗って、砂利や玉石の表面を露出させる技術です。使用する石を変えることで、自由にデザインできるため、幅広い建築に使用されています。洗い出しについてより詳しく知りたい方は下記リンクをご確認ください。
多くの著名物件で採用されるヤブ原産業の洗い出しシリーズ
洗い出しは古くから行われてきた伝統的な工法ですが、表面を洗うタイミングを誤ると、石の露出具合に差が出るなど、難易度の高い工法です。特に大面積で施工すると、石がしっかりと出るところと、モルタルを十分に洗い出せず石があまり出ていないところが生じて、ムラが発生することがあります。そのため、豊富な経験を持った左官職人でなければ、施工が難しいという問題があります。
ヤブ原産業の「彩洗い出し」は、洗い出しを水洗いすることなく再現した製品で、従来の洗い出しの施工難易度を改善しました。そのため伝統的な洗い出し仕上げの経験がない方でも、簡単に施工することができます。また、産地により様々な色相・粒度・物性を有する石を、厳選してラインナップし、プライマーや目詰め材とセットで製品化されているため、強度や耐候性など、確かな品質が保証されています。
また、「テクストン」は洗い出し仕上げにおいて国内唯一の材工一体製品であり、妥協のない確かな品質を保証します。30年超の実績があり、近年では新国立競技場や豊洲市場など、日本を代表する大規模プロジェクトで採用されています。
改めて注目される洗い出しの魅力
近年では木材や石材など、自然の材質を取り入れたデザインや、緑と調和したデザインが流行しています。洗い出しは天然石の美しさを活かした仕上がりのため、そのようなデザインとの相性が良く、麻布台ヒルズをはじめ多くの大規模プロジェクトで採用されています。洗い出しに興味のある方は、是非一度サンプルを取り寄せてみてください。