AGV走行床では、「平坦性が大切」とよく言われます。しかし、「平坦性」「水平性」「不陸」「FF値・FL値」といった言葉の違いは、分かりにくいものです。
本記事では、AGV走行床に必要な平坦性の考え方を、FF値・FL値・不陸の意味とあわせて、分かりやすく解説します。

平坦性・水平性・不陸の違い
| 用語 | 意味 | AGVへの影響 |
|---|---|---|
| 平坦性 | 短い距離での、細かい凹凸の少なさ | 揺れ、センサー誤作動 |
| 水平性 | 床全体の傾きの少なさ | 直進性、停止位置への影響 |
| 不陸 | 床面の凹凸・うねり・傾きの総称 | 走行の安定性全般 |
| 段差 | 継ぎ目や欠けによる、局所的な高低差 | 停止、衝撃、荷崩れ |

FF値・FL値とは?
FF値とFL値は、床の平坦性と水平性を、数値で表す指標です。米国のASTM E1155という規格で、測定と計算の方法が定められています。
- FF値(Floor Flatness):短い距離での、局所的な凹凸(バンピー)の程度を表す。大きいほど平坦
- FL値(Floor Levelness):約3m(10フィート)の距離での、傾きの程度を表す。大きいほど水平
FF値・FL値は、「見た目」ではなく、測定した床の高さのデータから、統計的に計算されます。
高い数値ほど、平坦で水平な床を意味します。
※FF値は約30cm間隔の測点をもとに計算されます。数値の求め方や必要な値は、規格や仕様書に従ってください。

日本の現場では「3mでの不陸(mm)」で管理することも多い
日本の倉庫や工場では、FF値・FL値ではなく、3mの直定規を当てたときの隙間(mm)で、床の平坦性を管理する例も多く見られます。
AGV対応床の施工業者では、レベル誤差を、3m以内で±3〜5mm程度に仕上げる例が紹介されています。
たとえば、国内メーカーの低床型AGVの公開仕様では、走路条件として「段差2mm以下、溝幅10mm以下、うねり5mm以下」としている例があります。一方、小型の自律走行ロボット(AMR)では段差5mm程度、屋外にも対応する大型機では15mm程度の段差を乗り越えられるとする製品もあります。
※数値は、各メーカーの公開資料(2026年10月確認)にある仕様の一例です。導入しているAGVの許容値は、必ずメーカーにご確認ください。
必要な平坦性は、AGVの機種、走行速度、積載物、搬送物によって異なります。FF値・FL値の指定が必要かも含めて、AGVメーカーと施工業者に確認してください。

平坦性の測定方法
- 3mの直定規と隙間ゲージ:簡易的に、うねりや段差を確認する
- レーザーレベル・デジタルレベル:床の高さを、複数の点で測定する
- FF/FL測定器:ASTM E1155に基づいて、床の平坦性と水平性を数値化する

平坦性が足りない場合の補修方法
| 症状 | 補修方法の例 |
|---|---|
| 局所的な欠け・穴 | 補修材の充填 |
| 局所的な段差 | 研削、補修材でのすりつけ |
| 広い範囲のうねり | 研磨、セルフレベリング材 |
| 全体の傾き | 専門業者による、レベル調整工事 |
局所的な欠けや穴は、補修材で埋めることで、平坦性の低下の原因を取り除くことができます。一方で、補修後の平坦性は、材料だけでなく、下地の状態、施工範囲、施工厚、仕上げの精度にも左右されます。
局所的な欠損の補修は「マッハコン」
局所的な欠けや穴の補修には、ヤブ原産業の超速硬高強度コンクリート補修材「マッハコン」が使われています。
レベリング性が高く、表面を軽く叩くだけで平らに均せるため、周囲との高さ合わせがしやすい材料です。
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マッハコンの主な特長
- 施工後10分で歩行、20分で車両通行が可能(気温23℃時の目安)
- 3時間でコンクリート以上の強度が発現し、圧縮強度は76N/mm²(一般的なコンクリートの4倍以上)
- 袋のまま練って、ゴム手袋をした手だけで施工できる(特別な道具は不要)
- 硬化後に痩せない。コンクリートに近い色で、補修跡が目立ちにくい
- エポキシ・ウレタンなどの塗床材や防水材も、後から施工できる
※硬化時間は気温23℃時の目安です。気温によって変化します。施工要領書では、車両通行までの目安を20〜60分としています。
マッハコンの使い方(4ステップ)
- 清掃:補修箇所を水で洗浄し、ほこりや砂を除きます。下地は湿った状態にします。
- 混練:3kg袋は水360ccを入れ、袋の中で手で揉み込んで混ぜます。2分以内に完了させます。15kgペール缶は材料1kgに水120ccで、一度の混練量は3kg以内にします。
- 充填:10分以内に補修箇所へ充填し、表面を軽く叩いて平らに均します。
- 養生:施工後10分ほどで歩行でき、20分ほどで車両が通行できます。
注意点として、マッハコンは床専用です(壁・天井には使えません)。混練後に放置すると、硬化反応の熱で60℃近くまで上がるため、取り扱いに注意してください。余った材料は産業廃棄物です。
製品の詳細は、ヤブ原産業のマッハコン製品ページで、カタログや施工要領書、組成・試験成績表をご覧いただけます。
段差の許容値や、AGVに適した床材については、以下の記事で詳しく解説していますので、あわせてご覧ください。
https://yabu-sen.com/agv-floor-step-tolerance
https://yabu-sen.com/agv-floor-material-comparison
よくある質問
Q. FF値・FL値とは何ですか?
床の平坦性(局所的な凹凸の少なさ)をFF、水平性(傾きの少なさ)をFLで表す指標です。米国のASTM E1155という規格で、測定方法が定められています。
Q. AGV走行床には、FF値・FL値の指定が必要ですか?
AGVの機種や運用によって異なります。日本では、3mの直定規での不陸(mm)で管理することも多く、必要な数値は、AGVメーカーや施工業者に確認してください。
Q. 不陸と段差は、何が違いますか?
段差は、継ぎ目や欠けなど、局所的な高低差です。不陸は、床全体の緩やかなうねりや傾きを指します。
まとめ
AGV走行床の平坦性は、局所的な凹凸(平坦性)と、全体の傾き(水平性)に分けて考えます。FF値・FL値は、その程度を数値で表す指標で、日本では3mでの不陸(mm)で管理する例も多くあります。
必要な水準は機種ごとに異なるため、AGVメーカーと施工業者に確認したうえで、測定と補修を進めましょう。
マッハコンは、施工後10分で歩行、20分で車両通行が可能で、3時間でコンクリート以上の強度を発揮する、床の欠損補修用の超速硬高強度補修材です。
製品の詳細は、ヤブ原産業のマッハコン製品ページをご覧ください。
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