AGVを導入するとき、床材の選び方は、走行の安定性と運用コストを大きく左右します。
コンクリート、塗床、レベリング材など、選択肢はさまざまですが、それぞれ平坦性、耐久性、工期、補修のしやすさが異なります。
本記事では、AGV走行に適した床材5つを比較し、どの床材でも必要になる「補修」の考え方も解説します。

AGV走行床に求められる条件
AGV走行床には、一般的に次のような条件が求められます。
たとえば、国内メーカーの低床型AGVの公開仕様では、走路条件として「段差2mm以下、溝幅10mm以下、うねり5mm以下」としている例があります。一方、小型の自律走行ロボット(AMR)では段差5mm程度、屋外にも対応する大型機では15mm程度の段差を乗り越えられるとする製品もあります。
- 車輪が引っかからない、平坦で平滑な表面
- 車輪の繰り返し荷重に耐える強度と耐摩耗性
- 粉塵が少ないこと(センサーや搬送物への影響を減らす)
- 部分的に傷んだときに、補修しやすいこと
※数値は、各メーカーの公開資料(2026年10月確認)にある仕様の一例です。導入しているAGVの許容値は、必ずメーカーにご確認ください。

AGV走行に適した床材5選
1. 金ゴテ仕上げコンクリート(+表面強化・防塵処理)
コンクリートを金ゴテで平滑に仕上げた床です。表面強化剤や防塵処理を行うことで、粉化を抑えられます。コストを抑えやすい反面、施工精度(平坦性)が、職人の技術や養生条件に左右されます。
2. 研磨仕上げコンクリート
コンクリートの表層を機械で研磨して、平坦性を高める仕上げです。既存床の不陸を、研磨で整えることもあります。塗装をしたくない場合や、塗床の補修サイクルを減らしたい場合に検討されます。
3. セルフレベリング材仕上げ
流動性の高い材料を流し込んで、平滑な面をつくる工法です。広い範囲の不陸を整えるのに向いています。下地処理と施工管理が重要で、材料によって硬化時間や強度が異なります。
4. 水性硬質ウレタン塗床
硬質ウレタン系の塗床材で、耐摩耗性や耐衝撃性を重視する倉庫・工場で使われています。業界誌でも、AGVの普及とともに増えている床として取り上げられています。下地との相性や、補修材との施工間隔の確認が必要です。
5. エポキシ樹脂塗床
エポキシ樹脂を使った塗床で、耐薬品性や耐久性に優れ、工場でよく使われます。塗膜の種類によっては、車輪のグリップや摩耗の状態に違いが出るため、AGVの仕様との適合を確認します。
| 床材 | 平坦性 | 耐摩耗性 | 工期の目安 | 部分補修 |
|---|---|---|---|---|
| 金ゴテ仕上げコンクリート | 施工精度に依存 | 表面強化で向上 | 養生期間が必要 | 補修材で対応 |
| 研磨仕上げコンクリート | 研磨で向上 | 表層の状態に依存 | 研磨作業が中心 | 補修材で対応 |
| セルフレベリング材 | 高い | 製品による | 下地処理と養生が必要 | 補修材で対応 |
| 水性硬質ウレタン塗床 | 下地に依存 | 高い製品が多い | 塗り重ねの工程あり | 補修材と仕上げ材の相性確認 |
| エポキシ樹脂塗床 | 下地に依存 | 製品による | 塗り重ねの工程あり | 補修材と仕上げ材の相性確認 |
※一般的な傾向です。実際の性能は製品・施工条件によって異なります。AGVの機種との適合は、メーカーにご確認ください。

どの床材でも「補修材」は必要になる
どの床材を選んでも、繰り返しの走行や衝撃で、目地の欠けや穴は起こります。
床材の選定時には、傷んだときに、止める時間を抑えて部分補修できるかも、運用コストを左右する重要なポイントです。
塗床の場合は、補修後に仕上げ材を施工できるか、施工間隔はどれくらいか、も確認しましょう。
部分補修には超速硬補修材「マッハコン」
コンクリート床の穴や欠けの補修には、ヤブ原産業の超速硬高強度コンクリート補修材「マッハコン」が使えます。
補修後は、エポキシ・ウレタンなどの塗床材や防水材も施工できます(セメント系材料・水性は24時間後、溶剤系は48時間後が目安)。
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マッハコンの主な特長
- 施工後10分で歩行、20分で車両通行が可能(気温23℃時の目安)
- 3時間でコンクリート以上の強度が発現し、圧縮強度は76N/mm²(一般的なコンクリートの4倍以上)
- 袋のまま練って、ゴム手袋をした手だけで施工できる(特別な道具は不要)
- 硬化後に痩せない。コンクリートに近い色で、補修跡が目立ちにくい
- エポキシ・ウレタンなどの塗床材や防水材も、後から施工できる
※硬化時間は気温23℃時の目安です。気温によって変化します。施工要領書では、車両通行までの目安を20〜60分としています。
マッハコンの使い方(4ステップ)
- 清掃:補修箇所を水で洗浄し、ほこりや砂を除きます。下地は湿った状態にします。
- 混練:3kg袋は水360ccを入れ、袋の中で手で揉み込んで混ぜます。2分以内に完了させます。15kgペール缶は材料1kgに水120ccで、一度の混練量は3kg以内にします。
- 充填:10分以内に補修箇所へ充填し、表面を軽く叩いて平らに均します。
- 養生:施工後10分ほどで歩行でき、20分ほどで車両が通行できます。
注意点として、マッハコンは床専用です(壁・天井には使えません)。混練後に放置すると、硬化反応の熱で60℃近くまで上がるため、取り扱いに注意してください。余った材料は産業廃棄物です。
製品の詳細は、ヤブ原産業のマッハコン製品ページで、カタログや施工要領書、組成・試験成績表をご覧いただけます。
補修材の種類別の比較や、床の平坦性の見方については、以下の記事で詳しく解説していますので、あわせてご覧ください。
https://yabu-sen.com/agv-floor-repair-material-comparison
https://yabu-sen.com/agv-floor-flatness-ff-fl
よくある質問
Q. AGVに最も適した床材は何ですか?
一概には決まりません。必要な平坦性、耐久性、止められる工期、予算、AGVの仕様によって異なります。導入前に、AGVのメーカーと施工業者に相談してください。
Q. 塗床にすれば、補修は不要になりますか?
いいえ。塗床も、衝撃や摩耗で欠けやはがれが生じるため、部分補修は必要になります。補修材と塗床材の相性も、事前に確認してください。
Q. 既存の床をAGV対応にするには、どうすればよいですか?
まず、床のレベル(高さ)を測定し、不陸や欠損の状態を調べます。そのうえで、研磨、レベリング材、塗床、部分補修などを組み合わせて計画します。
まとめ
AGV走行に適した床材は、金ゴテ仕上げコンクリート、研磨仕上げコンクリート、セルフレベリング材、水性硬質ウレタン塗床、エポキシ樹脂塗床の5つが代表的です。
床材を選ぶときは、平坦性、耐摩耗性、工期に加えて、部分補修のしやすさも考慮しましょう。
マッハコンは、施工後10分で歩行、20分で車両通行が可能で、3時間でコンクリート以上の強度を発揮する、床の欠損補修用の超速硬高強度補修材です。
製品の詳細は、ヤブ原産業のマッハコン製品ページをご覧ください。
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