玄関アプローチとは?その役割や仕上げ方法を解説

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家づくりにおいて、屋外空間をデザインするのは外構工事です。
外構工事のなかでも「玄関アプローチ」は、素材や意匠、さらには機能まで、検討することが多い部分でもあります。
なぜなら、暮らす人や来客が必ず毎日利用する場所であり、また防犯性やバリアフリー性などでも重要な役割を担うためです。
そこで今回は、「玄関アプローチ」とは具体的にどのような役割を担うのか、そしておもな仕上げ方法やその特長などを解説します。

玄関アプローチの役割とは


そもそも玄関アプローチとは、門から玄関にかけて通路となる部分のことをいいます。
暮らす人や訪れる人が、外部から建物までの動線として使用することから、まず視界に飛び込んでくる家の顔ともいえる場所です。

玄関アプローチの役割:意匠性

玄関アプローチは、外部から建物までの動線としてつくる場所であるため、その意匠は空間そのもののイメージを大きく左右する要素となります。
そのため、つくりたいイメージを壊さないよう、十分に検討することが重要になるでしょう。

玄関アプローチの役割:防犯性

玄関アプローチは、防犯性を高めるという視点で検討することも必要です。
例えば、大きな植栽やその他設置物など、人が隠れられるようなスペースができてしまうと、侵入犯罪者に狙われやすくなります。
また、門から玄関までが直線であれば、玄関ドアを開放したときに内部が丸見えとなることがあり、防犯性やプライバシー性を脅かす可能性があります。
そのため、玄関アプローチは、死角をつくらないようにしたり、また角度をつけたりするなど防犯性に考慮して検討することも必要となるでしょう。

玄関アプローチの役割:バリアフリー性

玄関アプローチは、高齢者や障がい者にとっても、安全なものでないと意味がありません。
例えば、段差があったり、滑りやすい素材であったりすると、転倒のリスクとなり、不安要素となってしまいます。
そのため、とくに高齢者や障がい者がいる家庭では、スロープや手すりなどを設けること、そして滑りにくい仕上げ方法を検討することなどが重要になるでしょう。

玄関アプローチの仕上げ方法とは

玄関アプローチの仕上げには、多くの方法があります。
なかでも代表的な仕上げ方法とその特長についてご紹介いたします。

コンクリート

アプローチ部分にフレッシュコンクリートを流し込み、金ゴテ押えや刷毛引きなどで仕上げる方法です。
他の方法よりも比較的低コストでできることや、見た目にスッキリとした雰囲気をつくれることなどが特長です。

天然石

自然の石を角形や乱型にカットしたものを敷き並べて仕上げる方法です。
自然がつくる風合いを楽しめることや、高級感を演出できることなどが特長です。

タイル

 

磁器タイルや素焼きタイルなどを敷き並べて仕上げる方法です。
色や大きさなど多くの種類のなかから選べることや、高級感を演出できることなどが特長です。

インターロッキング

 

インターロッキングとは、コンクリート素材である「インターロッキングブロック」をかみ合わせるように敷き並べて仕上げる方法です。
色や形状、大きさなどバリエーションが豊富でおしゃれな演出ができることや、透水性が高く雨水がたまりにくいことなどが特長です。

砂利

アプローチ部分に砂利を敷き詰めて仕上げる方法です。
非常に低コストでできることや、歩行時の音により防犯効果が期待できることなどが特長となります。
また、他の仕上げ方法とも相性がよく、さまざまな組み合わせが可能です。

洗い出し

 

セメントモルタルに砂利や玉石など骨材を入れて塗り、固まる前に表面を洗って砂利や玉石の頭部分を露出させる方法です。
また、特殊ウレタン樹脂を使った「樹脂使用の洗い出し」やフレッシュコンクリートを使った「コンクリート一発洗い出し仕上げ」などの方法もあります。
骨材にはさまざまな種類があり、使用する骨材によっては美しい空間演出ができることや、表面の凹凸で歩行時に滑りにくくなることなどが特長となります。
なお、洗い出し仕上げに関する詳しい内容は「洗い出し仕上げとはなに?種類や施工方法を徹底解説」の記事を参考にしてください。

洗い出し仕上げとはなに?種類や施工方法を徹底解説

まとめ

玄関アプローチは、家の顔ともいえる部分であるため、慎重に検討することが重要です。
また、意匠性にこだわることも重要ですが、暮らしやすさにつながる機能性にも配慮することを忘れてはなりません。
暮らす人の快適さを優先したうえで空間をデザインすることがポイントとなるでしょう。

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